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年収1,000万円超えたサラリーマンが税金対策すべき理由
年収1,000万円を超えたサラリーマンが税金対策をするべき理由は、次のとおりです。
● 所得税と住民税の合計税率が30%になるから
● 社会保険料は年収とともに上がるから
年収1,000万円を超えてくると、税金・社会保険料ともにかなりの額になります。節税方法を理解する前に、まずはなぜ年収1,000万円を超えたサラリーマンが税金対策しなければならないのかみていきましょう。
所得税と住民税の合計税率が30%になるから
年収1,000万円になると所得税と住民税の合計税率が30%となり、相当な税額を負担しなければなりません。
年収1,000万円の課税所得金額は人によって異なりますが、おおよそ670万円といわれています。
課税所得金額が670万円の場合には次の表のとおり、所得税率20%が適用されます。
課税所得金額 | 所得税率 | 控除額 |
1,000円以上 195万円未満 | 5% | 0円 |
195万円以上 330万円未満 | 10% | 97,500円 |
330万円以上 695万円未満 | 20% | 427,500円 |
695万円以上 900万円未満 | 23% | 636,000円 |
900万円以上 1,800万円未満 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円以上 4,000万円未満 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 4,796,000円 |
(出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」)
また、所得税の他にも住民税が課税されます。住民税の税率は自治体によって異なるものの、多くの自治体では税率10%プラス5,000円を課しています。
つまり、年収1,000万円のサラリーマンには、所得税と住民税で30%の税率が課されるということです。
年収1,000万円・課税所得金額670万円の場合、所得税・住民税がいくら課税されるのか計算してみましょう。
【所得税】
6,700,000円 × 20% – 427,500円 = 912,500円 【住民税】 6,700,000円 × 10% + 5,000円 = 675,000円 |
シミュレーションでは、所得税と住民税の合計納税額は1,587,500円となります。
社会保険料も年収とともに上がるから
社会保険料は年収が多くなるほど高くなり、年収1,230万円(賞与が年3回・各賞与は150万円・令和6年3月分からの厚生年金)まで上昇していきます。年収1,000万円のサラリーマンは厚生年金だけで約91万円払わなければなりません。
社会保険料は所得控除の対象となるものの、約91万円というのは大きい負担です。
所得税や住民税、社会保険料の支払額を考えると、年収1,000万円のサラリーマンの手残り金額は決して多いとはいえません。
年収1,000万円超えたサラリーマンに有効的な税金対策
年収1,000万円を超えたサラリーマンの税金・社会保険料は高額になるものの、どちらも金額を抑える方法があります。年収1,000万円を超えたサラリーマンに有効的な税金対策は、次のとおりです。
● 新NISA
● iDeCo(イデコ)
● ふるさと納税
● 配偶者控除や扶養控除
● 生命保険料控除や地震保険料控除
● 医療費控除
● 住宅ローン控除
● 不動産投資
各種項目がなぜ税金対策になるのか、実際にどの程度税金が減るのかシミュレーションしていきます。人によって利用できる項目とできない項目があるため、内容を確認して自分がどの方法で税金対策するのかの判断材料にしてみてください。
所得税を減らすには、節税の知識が必須。J.P. Returnsでは、節税対策の方法をわかりやすく解説しているeBookを公開しています。フォームに入力するだけで無料で資料をダウンロードできるので、ぜひチェックしてみてください。
新NISA
新NISAは2024年から開始された制度であり、非課税枠内の株式投資や投資信託の譲渡益・運用益が非課税になります。
通常、株式投資や投資信託の利益に対しては、所得税・住民税・復興特別所得税が課税されます。所得税・住民税・復興特別所得税の合計税率は20.315%です。株式投資や投資信託の運用益に対しては分離課税で計算され、給与所得や事業所得などの他の所得とは別に税額を計算します。
株式投資などで年間100万円の所得が出た場合、次のような税額が課されます。
【所得税】
100万円 × 15% = 15万円 【住民税】 100万円 × 5% = 5万円 【復興特別所得税】 100万円 × 0.315% = 3,150円 【合計】 20万3,150円 |
新NISAは非課税枠内の譲渡益・運用益に課税されないため、年間100万円の所得があっても約20万円の納税は必要ありません。
iDeCo(イデコ)
iDeCo(イデコ)とは私的年金制度です。
iDeCoは自分で投資商品を選択し、掛金を支払っていきます。投資して得た運用益には税金が課税されず、掛金については全額、小規模企業共済等掛金控除の対象となります。
iDeCoを利用した場合、いくら節税できるのかみていきましょう。
【シミュレーション条件】
● 年収1,000万円、30歳サラリーマン |
上記の内容では、以下のような節税効果があります。
【拠出時】
● 毎月の節税効果:7万3,000円 ● 30年間の節税効果:217万4,000円 【運用時】 ● 52万6,425円(30年運用の場合) |
※ろうきんのiDeCoシミュレーターを利用し計算
iDeCoを活用した節税についてより詳しく解説した記事もあります。ぜひ合わせて確認してみてください。
ふるさと納税
ふるさと納税とは、特定の自治体に寄付することで寄付金控除が受けられる仕組みです。
ふるさと納税には自己負担金2,000円が設定されており、2,000円を超える寄付をすれば寄付金控除が受けられます。たとえば、50,000円のふるさと納税を行えば、50,000円から2,000円を引いた48,000円の寄付金控除を受けることが可能です。
ワンストップ特例を利用してふるさと納税を行う場合、寄付金控除分の金額が住民税から減額されます。ただし、減額される寄付金控除には上限があり、上限を超えた分は減税されなくなるため注意しましょう。
なお、寄付金控除の上限は年収や世帯によって異なります。どの程度控除が受けられるのかは、総務省の「寄附金控除額の計算シミュレーション」をダウンロードするなどしてご確認ください。
配偶者控除や扶養控除
配偶者控除や扶養控除を利用すれば、税金が減額されます。
配偶者控除は納税者の所得が1,000万円以下の場合、次の表の控除が受けられます。年収1,000万円の場合は課税所得金額が670万円程度になるため、一般の控除対象配偶者であれば38万円が控除額です。
控除を受ける納税者本人の
合計所得金額 |
控除額 | |
一般の控除対象配偶者 | 老人控除対象配偶者 | |
900万円以下 | 38万円 | 48万円 |
900万円超950万円以下 | 26万円 | 32万円 |
950万円超1,000万円以下 | 13万円 | 16万円 |
(出典:国税庁「No.1191 配偶者控除」)
また、配偶者の年間の合計所得金額が、48万円以下(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)であることも配偶者控除を利用できる条件になります。
扶養控除を受けられるかどうかは、本人の所得は関係なく、扶養される人に条件があるだけです。扶養される人の年間合計所得金額が、48万円以下(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)であることなどが適用される条件になります。
区分 | 控除額 | |
一般の控除対象扶養親族 | 38万円 | |
特定扶養親族 | 63万円 | |
老人扶養親族 | 同居老親等以外の者 | 48万円 |
同居老親等 | 58万円 |
(出典:国税庁「No.1180 扶養控除」)
生命保険料控除や地震保険料控除
生命保険料や地震保険料を払込している場合、払込金額に応じて生命保険料控除や地震保険料控除が受けられます。
生命保険料控除は、新生命保険料・介護医療保険料・新個人年金保険料それぞれ個別に計算します。
計算方法は、次の表のとおりです。
年間の支払保険料等 | 控除額 |
20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
20,000円超 40,000円以下 | 支払保険料等 × 1/2 + 10,000円 |
40,000円超 80,000円以下 | 支払保険料等 × 1/4 + 20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
※平成24年1月1日以後に締結した保険契約に適用される計算式
(出典:国税庁「No.1140 生命保険料控除」)
新生命保険料・介護医療保険料・新個人年金保険料それぞれの控除額上限は4万円であり、合計した控除額上限は12万円です。
地震保険料控除の計算方法は、次の表のとおりです。地震保険料控除の所得税は最大5万円、住民税は最大2万5,000円が課税所得金額から控除できます。
区分 | 年間の支払保険料の合計 | 控除額 |
(1)地震保険料 | 50,000円以下 | 支払金額の全額 |
50,000円超 | 一律50,000円 | |
(2)旧長期損害保険料 | 10,000円以下 | 支払金額の全額 |
10,000円超20,000円以下 | 支払金額×1/2+5,000円 | |
20,000円超 | 15,000円 | |
(1)・(2)両方がある場合 | - | (1)、(2)それぞれの方法で計算した金額の合計額(最高50,000円) |
(出典:国税庁「No.1145 地震保険料控除」)
医療費控除
医療費控除は、医療のために使った年間の支払額に応じた控除を受けられる税制です。
医療費控除が受けられるのは納税者本人と、生計を一にする親族の支払った医療費合計額が10万円を超えた場合です。
医療費控除の最大控除額は200万円であり、下記の計算式で控除額を計算します。
(実際に支払った医療費の合計額-(1)の金額)-(2)の金額
(1)保険金などで補てんされる金額 (例) 生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など (注)保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きますので、引ききれない金額が生じた場合であっても他の医療費からは差し引きません。 (2)10万円 |
(出典:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」)
なお、医療費控除を利用する場合、確定申告で控除を申告する必要があります。年末調整では、医療費控除が使えない点には注意しましょう。
住宅ローン控除
住宅ローン控除とは、住宅ローンの年末残高に応じた金額が所得税から控除される税制です。2024年・2025年中に住宅ローンで購入した住宅に入居する場合、次の表の内容が適用されます。
住宅新旧等 | 住宅環境性能等 | 借入限度額 | 控除期間 | 控除割合 |
令和6・7年入居 | ||||
新築住宅
買取再販 |
認定長期優良住宅
認定低炭素住宅 |
4,500万円 | 13年間 | 0.7% |
ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 13年間 | ||
省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 13年間 | ||
その他住宅 | 0円(※) | – | ||
既存住宅 | 認定長期優良住宅
認定低炭素住宅 ZEH水準省エネ住宅 省エネ基準適合住宅 |
3,000万円 | 10年間 | |
その他住宅 | 2,000万円 | 10年間 |
※一般の新築住宅のうち令和5年12月31日までに建築確認を受けたものか、令和6年6月30日までに建築されたものは、借入限度額を2,000万円として10年間の控除が受けられます。
(出典:国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」)
住宅ローン控除で、どの程度の所得控除が受けられるのか計算してみましょう。
【シミュレーション条件】
● 新築の認定長期優良住宅を購入 【シミュレーション計算】 4,500万円 × 0.7 × 13年 = 409万5,000円 |
上記の計算例の場合は、13年合計で約409万円もの所得税が減税されることになります。住宅ローン控除の控除額よりも所得税の方が低い場合、残額を住民税から控除します。ただし、住民税から控除できるのは最大9万7,500円までです。
不動産投資
不動産投資とは投資用不動産を購入し収益を得つつ、節税も図れる投資です。
不動産投資を行った場合、家賃や共益費などの収入が入ります。収入が入るのと同時に減価償却による課税所得金額の圧縮、損益通算による給与所得の圧縮が可能です。
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不動産投資の内容については、次章で詳しく解説します。
年収1,000万円の税金対策でおすすめなのは不動産投資
年収1,000万円を超えたサラリーマンには、多くの税金対策があります。税金対策の中でおすすめなのは不動産投資です。
年収1,000万円を超えたサラリーマンに不動産投資がおすすめなのは、次の理由があるからです。
● 減価償却で所得を圧縮しつつ利益を得られる
● 損失が発生しても損益通算で所得を減らせる
● 実務の多くが管理会社に委託できる
● インフレ対策になる
● レバレッジ効果がある
● 生命保険の代わりになる
不動産投資は税金対策だけではなく、所得を増やせるという副次的な効果もあります。不動産の投資の内容を詳しく理解し、節税とともに収入増加も実現していきましょう。
減価償却で所得を圧縮しつつ利益を得られる
不動産投資は、減価償却を利用して所得を圧縮しつつ利益を得られます。
減価償却とは、不動産の資産価値を耐用年数で分割し、分割した金額を損失として計上できる税制です。購入した投資用不動産の金額が2,000万円、耐用年数が20年であれば、毎年100万円の減価償却費を計上できるということです。
減価償却費は管理委託費や修繕費などとは異なり、実際に現金を使わなくても経費として計上できます。そのため、現金を減らさず、会計上だけ赤字にすることも可能です。
減価償却について詳しく知りたい方は「マンションの減価償却とは?計算方法や確定申告のポイントについてご紹介」をご覧ください。
損失が発生しても損益通算で所得を減らせる
不動産投資で赤字が出た場合、実際に発生した赤字でも会計上の赤字でも損益通算できます。
不動産投資における損益通算とは、不動産投資で発生した赤字を、給与所得や事業所得などから赤字を差し引いて所得を圧縮できる税制です。
たとえば、給与所得700万円のサラリーマンが、不動産投資で200万円の赤字を出したとします。このような場合、給与所得を500万円に抑えることが可能です。給与所得700万円のままだと所得税率23%が適用されますが、500万に抑えられれば税率が20%に下がります。
減価償却を利用した会計上の赤字で給与所得を抑えられれば、大きな節税につながります。不動産投資の赤字で節税できる理由についてより詳しく解説した記事もあります。ぜひ合わせて確認してみださい。
> 不動産投資の赤字で節税できる理由|良い赤字・悪い赤字の違いも解説
実務の多くを管理会社に委託できる
不動産投資は、実務の多くを管理会社に委託できます。
不動産投資は不動産の管理が手間と考えている方も多くいますが、次のような業務は管理会社に任せられます。
入居者管理 | ● 入居者募集 ● 賃貸契約関連手続き ● 家賃の入金確認 ● 滞納者への対応 ● トラブル対応 ● クレーム対応 |
建物管理 | ● 建物と設備の維持管理 ● 清掃業務 ● 長期修繕計画の策定と実施 |
上記の表のように、不動産投資で必要なほとんどの実務を管理会社が代行してくれます。投資家は不動産の購入や売却、投資計画の策定などだけを行えばよいだけなので、手間はかかりません。
インフレ対策になる
不動産はインフレに強いため、不動産投資はインフレ対策になります。
インフレが起こると不動産の価値は上がっていきますが、現金の価値はインフレした分だけ資産価値が下がります。不動産とともに家賃もインフレで高くなっていくため、インフレで大きな影響は受けません。
また、現金の価値が下がることにより、ローンの残額も相対的に減っていきます。返済しなければならない金額は一定でも、家賃の金額が上がればローンの残額を返済しやすくなります。
ただし、不動産投資用ローンの金利には注意しなければなりません。変動金利で融資を受けている場合、インフレとともに金利が上昇していく恐れがあります。インフレになることが確実な時勢で不動産投資用ローンを借りる場合には、固定金利も検討することが大切です。
個人でできるインフレ対策を紹介した記事もあります。合わせて確認してください。より「インフレ対策」について詳しく理解できるでしょう。
> 個人でできる具体的なインフレ対策を紹介|不動産投資がおすすめできる5つの理由
レバレッジ効果がある
不動産投資では、レバレッジを効かせることが可能です。
不動産投資におけるレバレッジとは、融資を受けて自己資金では購入できない不動産を手に入れることです。株式投資の場合は自己資金と同額の株式しか運用できませんが、不動産投資は自己資金だけで取り扱えない大きな投資ができます。
たとえば、自己資金1,000万円で年間100万円の利益を出せば利回り10%です。また、自己資金1,000万円と投資ローン2,000万円、合計3,000万円で年間300万円の利益を出せば同じく利回りは10%です。しかし、利益の合計額に大きな違いがあります。
ローンを借りる返済をしなければいけませんが、20年返済・金利3.675%でも年間の返済は約141万円であるため、自己資金で運用するよりも利益の額は大きくなります。
また、不動産投資はレバレッジを効かせて大きな利益を得て、得た利益を次の事業計画に利用し、よりいっそう大きな投資にしていくことも可能です。
不動産投資のレバレッジ効果についてより詳しく解説した記事もあるので、合わせて確認してみてください。
> 不動産投資のレバレッジ効果を解説!利回りの目安やリスクもチェック
生命保険の代わりになる
不動産投資用ローンには団体信用生命保険が付いているため、不動産投資は生命保険の代わりになります。
団体信用生命保険とは、ローン借入者が死亡もしくは高度障害などになった際、ローンの残額がゼロになる保険です。団体信用生命保険を利用すれば万が一死亡したとしても、家族にローン残高のない不動産を相続させられます。
ただし、多くの不動産を所有して運用する場合、相続税の課税対象になる可能性が高くなることには注意しましょう。家族にローン残高のない不動産を残せるのはメリットですが、家族が相続税を払えるように準備しておくことも大切です。
特殊な場合の節税方法
特殊なケースで節税できることもあります。株式投資をしていて損失を出した場合や災害・盗難にあった場合、配偶者と離婚または死別した場合などです。それぞれのケースで特例や控除の制度があります。また、不動産投資以外に副業をして利益を上げている場合も節税が可能です。
特殊な場合の節税方法について、みていきましょう。
株取引で損失を出した場合
株取引をしていて売却損が発生した場合、損失を翌年以降3年間にわたって繰り越すことで節税ができます。繰り越した年に利益を出していれば、それと相殺できる「繰越控除」という特例です。
たとえば50万円の損失が出た場合、翌年以降に50万円までの利益を出していても相殺されるため課税されません。
ただし特例を受けるには、毎年確定申告が必要になります。
災害・盗難にあった場合
災害や盗難などで被害を受けた場合、雑損控除や災害免除法により税金の減免を受けられます。雑損控除は所得控除であるのに対し、災害免除法は所得税から控除される税額控除です。
災害減免法は自然災害や人為的災害による被害が対象で、雑損控除はさらに盗難・横領による被害が加わります。
年間所得1,000万円以下の場合は、雑損控除と災害減免法のどちらかひとつを選択できます。しかし、年間所得が1,000万円を超えると災害減免法は対象とならず、使えるのは雑損控除のみです。
両方適用になる場合は、どちらが有利になるか試算して検討する必要があります。
配偶者と離婚または死別した場合
配偶者の所得が一定額以下の場合は配偶者控除や配偶者特別控除を受けられますが、離婚や死別により配偶者がいなくなればそれらの適用はなくなり、控除は受けられません。
その代わり、寡婦控除やひとり親控除(寡夫控除)の対象になる可能性があります。これら控除を受けるには適用要件があり、該当する場合は年末調整で控除の申請ができます。
副業をしている場合
サラリーマンが副業で20万円以上の収入を得ている場合、確定申告が必要です。その際、事業に必要な経費を計上し、課税対象となる所得額を抑えられます。また、青色申告にすれば最大65万円の青色申告特別控除により節税が可能です。
ただし、国税庁は2022年8月、売上が300万以下の場合は雑所得として扱うという所得税通達改正案を発表しました。雑所得は青色申告の対象ではなく、実際に改正が行われると副業の収入が300万円以下の場合は青色申告ができません。そのため、特別控除による節税はできなくなります。
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30秒で完了
年収1,000万円の税金対策に関してよくある質問
年収1,000万円の税金対策についてよくある質問は、次のとおりです。
● 年収1,000万円超えたら確定申告は必要ですか?
● 世帯年収1,000万円超えた場合と個人で超えた場合に違いはありますか?
● 年収1,000万円の個人事業主ができる節税対策はありますか?
年収1,000万円を超えてくると、さまざまな知識が必要になります。しかし、すべての内容を理解することは難しく、悩みや疑問をもってしまう人も多くいます。年収1,000万円の税金対策についてよくある悩みなどを確認し、内容を理解しておきましょう。
年収1,000万円超えたら確定申告は必要ですか?
年収1,000万円を超えても確定申告は不要です。
確定申告をしなければならない人は、次のような人です。
● 不動産所得が20万円を超えている人
● 年間の収入が2,000万円以上の人
● 事業所得が48万円を超えている人
● 医療費控除や1回目の住宅ローン控除を申告する人 など
仮に年収1,000万円のサラリーマンだとしても、不動産所得が20万円を超えている人は確定申告が必要です。このような場合、勤務先で年末調整を行ったとしても、確定申告もしなければなりません。
世帯年収1,000万円超えた場合と個人で超えた場合に違いはありますか?
世帯年収で1,000万円を超えた場合、個人で1,000万円を超えるよりも税金は少なくなります。
たとえば、夫と妻がそれぞれ年収500万円であれば、夫婦合計の所得税額はおおよそ32万円です。しかし、個人で年収1,000万円を超えていると所得税がおおよそ91万円課税されます。
個人で1,000万円を超えると所得税率が高くなるため、年収500万円の夫婦よりも税金が高くなります。そのため、年収1,000万円を超えた人は税金対策をしないと、手元に残る金額が大きく減るのです。
年収1,000万円の個人事業主ができる節税対策はありますか?
年収1,000万円の個人事業主にも、節税対策は多くあります。
個人事業主が実行できる主な節税対策は、次のとおりです。
● 青色申告特別控除
● 小規模企業共済
● 国民年金基金
青色申告特別控除は青色申告事業者が受けられる所得控除であり、最大65万円の控除が可能です。
また、小規模企業共済とは、小規模な企業の経営者が廃業時や退職時の生活資金にするための積立であり、小規模企業共済の掛金は全額所得控除されます。
国民年金基金は国民年金に上乗せできる公的年金制度です。国民年金基金の掛金は社会保険料控除として所得控除できます。
年収1,000万円を超えたサラリーマンには不動産投資がおすすめ
年収1,000万円のサラリーマンは累進課税により税率が高くなります。少しでも節税するためには対策を考えなければなりません。まずは、各種控除の対象にならないか検討してみましょう。
節税方法って何があるの?お金のプロが動画で詳しく解説!
年収1000万円台の方は必見!節税の仕組み・選択肢・年収別の節税効果をわかりやすく解説します。
不動産投資のみならず、生命保険控除、確定拠出年金、ふるさと納税などそれぞれの特徴を約25分間に凝縮しておりますので、税金対策を実践したい方はぜひ参考にしてください。
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