サラリーマンが不動産投資でカモにされる事例
不動産投資は、その収益性と節税面から多くのサラリーマンに注目されている投資方法です。
しかし、マンション・アパートを1棟まるごと購入するなど、投資を始めるにあたって必要な資金も非常に多額となるため、注意しておかなければ失敗したり、一部存在する悪い不動産会社から良いカモにされてしまったりする可能性があります。
そこでまずは、サラリーマンが不動産投資でカモにされる主な事例を3つ紹介します。これらの事例は不動産投資の失敗につながる事例でもあるため、しっかり目を通しておきましょう。
高額な新築マンションを購入させられる
サラリーマンが不動産投資を始めようとするとき、高額な新築マンションの購入をすすめる不動産投資会社もいるでしょう。
新築マンションは内観・外観が綺麗でニーズも高く、高い賃料を設定できるという点がメリットですが、比較的低価格な中古マンションと比較して物件価値の下落スピードが大きく、新築価値のなくなった数年後には賃料を下げざるを得なくなるケースも多くあります。
加えて、新築マンションは過去の運用例がなく、空室リスクや家賃変動リスク、さらに各リスクに対する適切な対処法などを長期的な視点で予測することが困難です。
不動産投資に関する知識の少ないサラリーマンの方にとって、新築マンション運用の難易度は非常に高いでしょう。不動産投資の知識がないのを良いことに、新築マンション運用のメリットだけを伝えて高額な収益物件を購入させようとする不動産投資会社は悪質な場合があります。
築古物件を購入させられる
高額な新築物件の購入を無理にすすめる不動産投資会社は悪質と前述しましたが、築古物件であれば安心というわけでもありません。
築20年以上を超えていたり耐用年数を超えていたりするマンション・アパートは、新築マンションと比較して物件価格が安く、利回りが高いことが魅力です。
しかし、築古物件は新築から年数が経過しているため、劣化が進んでいることがあります。特に、前のオーナーが定期的なメンテナンスや修繕を怠っていた場合は劣化が激しく、中には下地工事からやり直さなければならないケースもあるでしょう。
予期せぬ修繕コストの発生は、築古物件ならではの問題です。このようなリスクを伝えずに価格の安さと利回りの高さだけを強く訴求して築古物件の購入をすすめる不動産会社に対しても注意が必要です。
安い家賃保証(サブリース)で損をしてしまう
家賃保証(サブリース)とは、サブリース会社がオーナーの賃貸物件を一括借り上げし、その物件を入居者に又貸しするというサービスです。サブリース会社と賃貸借契約を結ぶことで、たとえ物件に空室や入居者による家賃滞納が発生しても、サブリース会社が定めた保証賃料を必ず受け取れます。
サブリース契約を締結することで、物件の運用において避けられないリスクにもしっかり対応でき、確実に賃料を回収できるという点は大きな魅力です。しかし、本来よりも家賃収入が低くなる点や、たとえ家賃保証契約を結んでいても毎月の賃料が下がる可能性はゼロではない点がデメリットとなります。
「数十年間、安定した賃料を受け取れる」という謳い文句につられて賃料の保証率が低いサブリース会社と契約し、あとになって「サブリース会社と契約しなかった方が高い収益を得られていた」「安定を求めてサブリース会社と契約したものの、結果的に損した」と考える物件オーナーも多くいるでしょう。
サラリーマンはなぜ不動産投資でカモにされる?
不動産投資を検討する方の足元を見て、高額な取引を無理にすすめる不動産投資会社は少なからず存在します。このような悪質な不動産投資会社は、特にサラリーマンを良いカモにする傾向にあることも特徴です。
では、なぜサラリーマンは不動産投資でカモにされやすいのでしょうか。ここからは、その理由について詳しく説明します。
ローン審査が通りやすいため
サラリーマンは、融資を行う金融機関にとって信用性が高い属性です。
住宅ローンや不動産投資ローンといった多額の融資においては、融資を希望する方の年齢や収入の安定性、さらに勤務先情報や勤続年数といった個人属性を見定めることとなります。毎月安定した給与を受け取れるサラリーマンは、収入が変動しやすい個人事業主やアルバイト・パートに比べて返済能力が評価され、多額の融資のローン審査にも比較的通りやすいことが特徴です。
悪徳な不動産投資会社にとって、サラリーマンは「高額な投資用不動産でも融資を利用して購入させられる」というイメージがついていることが、カモにされやすい大きな理由と言えるでしょう。
不動産会社が管理業務を行えるため
サラリーマンの方が不動産投資を始めようと、本業は変わらず会社勤めとなります。朝から晩まで働くこととなるため、運用している賃貸物件の管理までは手が回りません。したがって、物件管理業務は管理会社に依頼するケースがほとんどです。
管理業務を依頼した場合は、管理会社に毎月管理費を支払わなければなりません。悪質な不動産会社にとっては、投資用物件の売却益や仲介手数料だけでなく、管理業務の請け負いによる管理収入も入るため、おいしい顧客と見なされます。
節税につながるため
サラリーマンの場合、万が一不動産事業に赤字が生じても本業の給与所得と損益通算することによって、所得税や住民税を抑えることが可能です。取得した収益物件は減価償却費として計上できるため、実際には現金を伴う支出がないにもかかわらず会計上の赤字をつくりだすことができ、大きな節税効果を得られます。
不動産投資を検討する高所得のサラリーマンほど、節税対策に敏感です。不動産投資会社からすると、サラリーマンは「大きな節税効果」をアピールすることで不動産投資を勧誘しやすい相手と言えるでしょう。
不動産投資で失敗しやすい人の特徴
「サラリーマンは不動産投資会社にとって良いカモになりやすい」と聞いて、失敗リスクを危惧する方も多くいるでしょう。
しかし、すべてのサラリーマンが不動産投資に失敗しやすいわけではありません。中には、数軒の物件を運用し、安定した家賃収入を得ているサラリーマン大家さんも存在します。このような方は、足元を見て良いカモにしてくるような不動産投資会社には絶対に依頼しないことも特徴と言えるでしょう。
不動産投資を成功させるためには、まず「不動産投資で失敗しやすい人の特徴」を知っておくことが大切です。ここからは、不動産投資で失敗しやすい人・カモにされやすい人の特徴を詳しく紹介します。
不動産投資への知識がない人
不動産投資に失敗する人・不動産投資会社からカモにされやすい人に共通する特徴は、「不動産投資への知識がない」という点です。
特にサラリーマンの場合は、会社勤めという本業を変えず、不労所得を得るために不動産投資を始める方も多くいるでしょう。この場合、物件の管理は管理会社にほぼ丸投げする形となるため、不動産投資の知識をアップデートさせていくこともできません。
知識がなければ、不動産投資会社からすすめられたアドバイスの良し悪しを正しく判断できず、キャッシュフローの採算が合わない不良物件を購入させられたり、相場よりも高い費用を支払ってしまったりする可能性があります。
J.P.RETURNSでは、自宅や出先で気軽に学べる「マンション投資の動画セミナー」を発信しております。不動産投資に関する知識を少しでも習得したい方は、ぜひご覧ください。
計画性がない人
資産運用の重要性が高まる近年、「周りが不動産投資を始め出したことをきっかけに、物件オーナーに憧れをもち始めた」「将来に向けて資産形成をしたい」など、漠然とした目的で不動産投資を検討する方も増加しています。
具体的な計画や投資目標もなくとりあえず不動産投資を始めたいという方は、不動産投資会社にとって恰好の餌食と言っても過言ではありません。
計画性がないことに加えて、不動産投資に関する知識もなければ不動産投資会社のカモにされやすく、不良物件をつかまされたり相場よりも高い費用を支払わされたりしても気付かないまま、失敗の一途をたどってしまう可能性があります。
運用を丸投げしてしまう人
前述の通り、不労所得を目的に不動産投資を始めるサラリーマンの多くは、日中の運用・管理業務を管理会社に委託することが一般的です。
しかし、物件の運用・管理業務を丸投げする物件オーナーは、管理会社にとっておいしいターゲットでもあります。不動産投資に関する知識を得られないだけでなく、管理会社が自社の成績・利益を優先するためのアドバイスも鵜呑みにしてしまうでしょう。
このように、ある程度の知識をもったうえで正しい投資判断をしなければ、「管理会社のアドバイス通りにやったにもかかわらず、お金が減る一方だ」と頭を抱えることとなります。
リスクを把握していない人
不動産投資には、空室リスクや家賃滞納リスク、さらに家賃下落リスクや修繕リスクなど、さまざまなリスクが潜んでいます。どれほど優秀な不動産投資家でも、これらのリスクを確実に避けることはできません。
しかし、あらかじめリスクを把握するかしないかでは、成功率に大きな違いが生じます。リスクを把握して、事前に対策を講じておけば、万が一何らかの問題が生じても被害を最小限にできます。
反対にリスク対策をしておかないと、万が一何らかの問題が起きた際、対応が遅れ場合によっては金銭的損失が大きくなってしまうことに注意しましょう。
不動産投資を成功させるコツ
不動産投資を成功させるためには、失敗しやすい人の特徴だけでなく成功させるコツを知っておくことも重要です。不動産投資を成功させるコツには、下記の3つが挙げられます。
- 情報収集をしっかり行う
- 念入りにシミュレーションを行う
- 良い不動産会社を選ぶ
ここからは、上記3つのコツについてそれぞれ詳しく説明します。
情報収集をしっかり行う
不動産投資の成功に向けてまず欠かせないのが、不動産投資に関する情報収集です。これから不動産投資を始めるなら必ず収集すべき情報には、「不動産投資のしくみ」「収益性の高い物件の選び方」「物件の管理方法」「出口戦略」などが挙げられます。
これらの情報を収集し、しっかりと知識を習得しておかなければ、不動産投資の成功率が上がらないと言っても過言ではありません。
情報の収集方法としては、書籍やインターネットが代表的です。自宅や出先でも簡単に収集できる点は忙しいサラリーマンにとってぴったりですが、一方で効率的に学べないという難点もあります。より専門的な情報を収集したいのであれば、信頼できる不動産投資会社による個別相談や不動産投資セミナーへの参加がおすすめです。
念入りにシミュレーションを行う
初めて不動産投資を始めようと考えているのであれば、不動産投資の収支シミュレーションを必ず念入りに行いましょう。
不動産投資の収支シミュレーションでは、不動産投資ローンの返済額や維持費、さらにこれらを加味した総家賃収入や売却予想額などを視覚化できます。あくまでもシミュレーションとなるため実態とは異なる可能性が高いものの、実際に収益物件を購入する前からある程度のリスク把握にもつながるため決して損はありません。
なお、収支シミュレーションは想定されるリスクに沿った複数のパターンで実施することもポイントです。
良い不動産会社を選ぶ
サラリーマンの方が不動産投資を検討したときは、足元を見てこないような不動産会社を選ぶことが大切です。
前述の通り、サラリーマンはローン審査に通りやすい・本業で忙しいため不動産管理会社の言いなりになりやすいといった特徴をもっています。悪徳業者の場合、こうしたサラリーマンの属性を利用して、あえて高額な取引をすすめてくる可能性があります。
良い不動産会社・悪い不動産会社をしっかり見極めるためにも、相談する不動産会社は1社に絞らず、複数の不動産会社を見て回ることがおすすめです。
J.P.RETURNSでは、直接・対面での「個別相談」サービスと、スマホ・パソコンを介した「WEB個別面談」サービスを提供しております。「まずは話だけでも聞いてみたい」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。
カモにされない不動産投資会社の特徴
悪質な不動産投資会社は、サラリーマンを良いカモにして高額な資金が必要となる売買契約を交わせようとしてきます。信頼できる優良不動産投資会社を見つけるためには、いくつかのポイントをチェックして気になる会社を複数ピックアップし、各会社に相談しながら信頼できる1社を選ぶことが大切です。
そこで最後に、良い不動産投資会社の特徴を3つ紹介します。
会社の規模が大きい
不動産投資会社選びの際にまずチェックすべきポイントが、会社の規模です。規模の大きい不動産投資会社は資本金の額も大きく、十分な事業資金を蓄えている傾向にあります。そのため、経営が傾くことによって適切なサポートが受けられなくなるということは起きず、長年にわたって適切なサポートを安定的に受けられるでしょう。
不動産投資は長い年月をかけて運用していきます。規模の大きい不動産投資会社は経営体力が強化されているだけなく、それだけ不動産売買に関するノウハウが蓄積している点も強みと言えます。
顧客目線の営業をしてくれる
悪質な不動産投資会社は、自社の利益しか考えていない「会社目線の営業」を行うことが特徴です。「今買わなければすぐにとられる」と急かしてきたり、不動産事業拡大を希望していないにもかかわらず新たな収益物件の購入をすすめてきたりする可能性があるでしょう。
しかし、優良な不動産投資会社は「顧客目線の営業」を徹底しています。不動産投資を検討する方のニーズを汲み取り、資産状況や目的を考慮して最適なエリアの選定や物件情報の紹介をしてもらえます。ときには、「お客様に適した物件は、現状ありません」とはっきり伝えてくれるケースもあるでしょう。
このような顧客目線の営業をしてもらうためには、不動産投資会社の見極めはもちろん、自身が不動産投資を行う理由や目的、将来的に求める結果についてをしっかり伝えておくことも大切です。
リスクについても説明してくれる
不動産投資会社選びに失敗しないためには、営業担当者が不動産投資の魅力や紹介された収益物件の良い面だけでなく、全体的なリスクについてもしっかり説明してくれるかどうかも大事なポイントです。
不動産投資では、数千万円という高額な投資金額を動かすこととなります。不労所得として毎月家賃収入を得られたり節税効果を得られたりするという点は魅力ですが、すべての不動産投資家が必ずしもすべてのメリットを享受できるわけではありません。当然ながらデメリットやリスクもあり、場合によっては赤字経営となる可能性もあります。
悪い点についてもしっかり説明してくれているのかが特に分かりやすいポイントは、「利回りにおける説明」です。悪質な不動産投資会社は表面利回りだけを説明し、さまざまな支出やリスクを加味した実質利回りについてはまったく説明がないケースも多々あるでしょう。
前述の通り、リスクを把握しないまま不動産投資を始めることは、失敗率を高めてしまう要因となります。メリットや成功例だけでメリットやリスクの説明がないような不動産投資会社は、サラリーマンを良いカモにしようとしてくる可能性があるため避けておくのが無難です。
まとめ
悪質な不動産投資会社の中には、サラリーマンがもつ不動産投資ローンの審査に通りやすい・管理業務を管理会社に丸投げする傾向にある・節税を望む方が多いという特性を利用して、高額な契約を結ぼうとする傾向にあります。
悪質な不動産投資会社から良いカモにされるのを防ぐには、自分自身が不動産投資に関する知識をしっかり身につけたうえで、信頼できる不動産投資会社を選ぶことが最も重要です。
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