マンションとアパートの違いは? 不動産投資を始めるなら知っておきたい基礎知識

公開日:2018.06.15

最終更新日:2022.05.18

監修者:室田雄飛

執筆者:染谷 重幸

「マンションとアパートの違い」

基本的には、物件を取り扱う不動産会社やハウスメーカー、不動産ポータルサイトなどの社内規定によって、アパートとマンションに区別されます。

アパートとマンションは、法律などで明確な区別がされていません。建築物の強度や構造、間取りなどによって名称が変わる決まりはありません。不動産会社のチラシや不動産ポータルサイトなどで「マンション」「アパート」と記されているのは、不動産会社ごとの社内規定などによるものです。

どのような物件がマンションで、どれがアパートなのかは、不動産会社ごとに違います。ただ、区分の傾向としては以下のような例があります。

マンションの特徴

マンションの特徴として以下が挙げられます。

∟鉄骨造や重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の建物はマンションと呼ばれることが多い

物件の構造によってアパートとマンションを分ける不動産会社もあります。アパートに比べて、マンションのほうが耐震性や耐火性に優れています。

 

∟一般的に3階建て以上

物件の階数によって区分している不動産会社もあります。高層マンションという言葉はありますが、高層アパートの数が少ないのは、アパートという言葉自体が、低層の物件を指す言葉だからかもしれません。

 

∟エレベーターがあるものをマンション、ないものをアパートと呼ぶ場合もある

高層マンションには、エレベーターがないと不便です。また、「建築基準法」や「高齢者の居住の安定確保に関する法律」、地域の条例などで「一定の高さや階数の物件には、エレベーターを設けなければならない」と定められている場合もありますので、マンションにはエレベーターが設けられることが多いのです。

 

∟構造上、耐火性や耐震性、防音性が高い

軽量鉄骨造や木造のアパートに比べると、マンションは耐火性、耐震性が高く、生活音が他の部屋の人に漏れるリスクも抑えられます。

 

∟アパートに比べて建築コストがかかる場合が多い

マンションには高級感や快適性を求める入居者も多いため、建築コストをかけてでも入居者のニーズを満たすことができる設計やデザインをするオーナーが多いのです。

 

∟気密性が高く、結露するおそれがある

気密性が高い物件は、冷暖房の効果が高くなるというメリットもありますが、外気温との差が激しい状態が続き、結露の影響を受けやすいです。

アパートの特徴

∟軽量鉄骨造や木造の建物はアパートに分類されることが多い

物件の構造で、アパートとマンションを分類する場合、軽量鉄骨造や木造の建物をアパートと呼ぶことが多いです。

 

∟階数は3階以内が一般的

階数で区分する場合は1階建て、2階建てなど低層の物件をアパートと称することが多く、それ以上の物件はマンションとされるようです。

 

∟木造の場合は通気性が良く、結露しにくい

木造の物件は通気性が良いことがメリットです。SRC造やRC造の物件に比べて、結露しにくいのがメリットです。

 

∟遮音性が低く、上下階や隣の住民の生活音が聞こえる場合がある

アパートはマンションに比べると、生活音が他の部屋に響くことがあります。ご自身だけでなく、すでに入居している人々の家族構成や生活習慣なども確認して、騒音トラブルに備えることが重要でしょう。

 

∟コーポやハイツ、メゾンなどは呼び方が違うだけで、基本的にアパートの一種

アパートの名称は「○○アパート」や「アパート○○」だけではなく、「○○コーポ」「○○ハイツ」「メゾン○○」など様々な名称がつけられています。これらの名称はアパートに多いです。

 

∟マンションの場合もある

マンションに「○○コーポ」などの名称をつけてはいけない、という決まりはありません。マンションに「○○コーポ」と名づけるオーナーもいるので、名称だけでアパートかマンションかを区別するのは難しいです。

「不動産経営におけるマンションのメリット・デメリット」

不動産投資家としてマンションに投資することがあるかもしれません。マンションの資産としての特徴を確認しましょう。

メリット

∟少ない自己資金でも始めやすい

マンション投資には、工夫次第で自己資金以上の資産を運用することができるというメリットがあります。

 

∟一部屋から購入できる

マンションは1棟すべてを新築したり購入したりする方法もありますが、1部屋だけを購入して賃借人を募集するという方法もあります。

 

∟不動産投資ローンを利用しやすい

銀行やその他の金融機関が、不動産投資のためのローン商品を取り扱っているので、マンションの購入資金をローンで用意することができます。

 

∟アパートに比べて空室リスクが低い

アパートに入居する人は、一人暮らしであったり、短期間だけの入居を希望しているケースもありますが、マンションは長く住み続けるという前提で選ぶ人も多いです。

 

∟アパートよりもマンションのほうが人気

物件の構造、耐火性、耐震性、生活音に気を遣わなくてよい点から、マンションの人気が高まる傾向にあります。

 

∟家賃を高く設定でき、収入を増やせる

安全、安心の構造や人気の間取りなど、マンションのほうがアパートに比べて家賃を高くできる要素が含まれています。

 

∟アパートに比べてマンションのほうが、家賃相場が高い

インターネット時代となり、入居希望者が他の物件の家賃相場について事前に調査した上で、不動産会社を訪れることも増えてきました。賃貸マンションのほうが、アパートよりも家賃相場が高いことを、入居希望者は事前に知っています。オーナーとしても、アパートに比べてマンションのほうが高い家賃を設定することができるのです。

 

∟管理のわずらわしさが少ない

賃貸物件の経営は「入居希望者と契約すれば終わり」ではなく、実際に入居した人が長く住み続けてくれるよう、管理をしなければなりません。

 

∟マンションを購入した場合、管理は販売元の不動産会社に委託することが多い

マンションの管理は、不動産会社に委託することができるので、オーナー自らが現地に出向いて行う業務は限られます。

 

∟管理業務から解放され、ビジネスパーソンでも運用しやすい

清掃や修繕などの業務を不動産会社に委託すると、サラリーマンやOLとしての本業に集中できます。

デメリット

∟不動産価格の下落による影響を受けやすい

土地や建物を売却したいタイミングが来たとき、不動産価格が下落している可能性があります。

 

∟土地を所有していない場合、建物自体の価値が低くなれば、収入が下がる可能性がある

老朽化したマンションは入居希望者が少なくなり、空室が増えて家賃収入が減少するリスクもあります。

 

∟売ろうとしても、買い手が見つからない場合もある

不景気などの影響で、不動産の売買が活発に行われない時期には、不動産を手放すことができないリスクが発生します。

 

∟区分所有の場合、借り手がいなければ家賃収入は0になる

少額の資金で始められるマンションの区分所有という方法ですが、借り手がつかず、家賃収入がない状況でも、ローンを支払っていけるのかを事前に検討しておきましょう。

 

∟一棟買い、もしくは複数の部屋を購入すると、安定して家賃収入を得やすい

複数の部屋に分散投資を行うことで、入居希望者への間口が広がることになり、家賃収入の安定化を見込めます。

「不動産経営におけるアパートのメリット・デメリット」

マンション投資と比べて、アパートへの投資にはどのような特徴があるでしょうか?

メリット

∟マンション投資に比べて利回りが高い

アパートはマンションに比べて低層で、木造や軽量鉄骨造などの構造の場合も多いため、初期にかかる資金が抑えられます。結果的には利回りの良い投資を実現することができるのです。

 

∟アパートは管理費が比較的安く、ランニングコストを抑えられる

マンションに比べて入居者の数が少なく、物件として小規模なので、管理費や修繕費などのランニングコストを抑えて経営することもできます。

 

∟インフレ対策になる

インフレ時には土地や建物の価格が上昇するとともに、家賃も高くなる傾向があり、インフレ対策としてアパートを所有する人もいます。

 

∟土地と建物をセットで買うのが一般的

アパート経営は、土地を購入してアパートを建築したり、気に入った物件の土地と建物をセットで購入するなど、土地と建物の両方をオーナーが所有する、という方法を取ることが一般的です。

 

∟土地は価値が下がりにくい

建物は時間が経って老朽化すれば、資産価値が下がっていきます。しかし、土地は建物に比べて資産価値を保ち続けることが可能です。

 

∟建物自体の所有権を持てるため、修繕や設備の入れ替えの意思決定を自分でできる

マンションは自己資金の都合に合わせて区分所有という方法も選ぶことができますが、区分所有の場合はマンション全体にかかわるようなリフォームはできません。しかし、アパート全体を所有するオーナーは、共用施設の刷新なども自由に行うことができます。

デメリット

∟初期費用としてまとまったお金が必要

マンションのように区分所有するという方法が選びづらいので、建物全体を購入するか新築することになり、まとまった初期費用が必要です。

 

∟土地と建物をセットで買う場合は、ある程度自己資金が必要

建物だけでなく、土地も新規に購入する場合は多額の資金が必要です。不動産投資ローンを利用する場合でも、必要な自己資金が多くなります。

 

∟不動産投資ローンを利用できるが、借入額が多いと月々の返済額も増える

不動産投資ローンの返済についても検討しておかなければなりません。借入額が大きい場合は、月々の返済額も増えるので、入居者が思い通りに集まらなかった場合の資金繰りについても考えておきましょう。

 

∟マンションに比べて需要が低い

入居希望者にはマンションのほうが人気が高く、実際に入居した人もマンションに比べてアパートのほうが定着しにくい傾向があります。空室対策についても考えておきましょう。

 

∟建物の構造上、火災や地震に弱い

木造や軽量鉄骨造の物件は、鉄筋コンクリート造などのマンションに比べると、火災や地震が起こった際の被害が大きくなる可能性があります。

マンションやアパート選びには物件探しの条件を明確に

マンションとアパートには、法的な区分などはありませんが、マンションのほうが構造的に強く、高層の物件で、需要も高めという傾向がみられます。逆にアパートは低層で構造的にはマンションに比べて弱いですが、家賃に手ごろ感があり、オーナーの方針を反映したリフォームがしやすい、などのメリットがあります。マンションやアパートという名称にこだわるだけでなく、どのような物件に住みたいか、どのような物件を経営したいかを明確にして、その条件に合致する物件を選ぶ、という考え方が大切です。

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室田 雄飛

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室田 雄飛

J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長

J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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この記事を書いた人

染谷 重幸

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染谷 重幸

大学在学中に家庭教師のアルバイトをきっかけにデイトレーダーへ転身。24歳で資産運用法人を設立する。25歳から大手投資用マンションディベロッパーと業務提携後、およそ6年間にわたり資産運用アドバイザーとして活躍。その後、大手不動産仕入れ会社で販売統括責任者として従来の投資用物件の流通システムを革新するプロジェクトを立ち上げる。国内最大規模の投資イベント「資産運用EXPO」で登壇実績があり、同業他社からも多くの見学者が立ち見の列を作った。2020年にJ.P.RETURNSに参画。オンラインでの商談やWEBセミナーを導入し、コロナ禍でも年間300件以上の顧客相談を担当している。

資格

宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)

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