マンション投資の利回り計算方法を解説!3つの注意点も紹介

公開日:2022.06.17

最終更新日:2022.06.29

監修者:室田雄飛

執筆者:染谷 重幸

マンション投資では、まず利回りに注目します。同じ物件でも種類によって数値が異なるため、表面利回りや実質利回り、想定利回りの違いを理解しておくことが大切です。本記事ではマンション投資における利回りの計算方法を紹介した上で、利回りを見る際に注意すべき点も解説します。

マンション投資の利回りとは

利回りとは、投資した金額に対してどれくらいのリターン(利益)が得られるのかを割合で示した指標です。利回りは、株式投資(配当利回り)や国債(国債利回り)、不動産など資産運用に関するさまざまな場面で用いられます。

マンション投資(不動産投資)の利回りは、物件の価格に対して、1年で得られる収入や利益の割合を示したものです。

3種類の利回りがある

マンション投資の利回りには、「表面利回り」「実質利回り」「想定利回り」の3種類があります。それぞれ数字が異なるため、マンション投資でパンフレットを確認したり業者から説明を受けたりする際は、あらかじめどの種類を指すのかを確認しておかなければなりません。

3種類の利回りのそれぞれの意味や計算方法を詳しく解説していきます。

 表面利回りの意味と計算方法

表面利回りとは、対象物件の価格に対し、現時点で家賃収入がどの程度得られるかを示した指標です。以下の計算式で算出できます。

表面利回り(%) = 年間の家賃収入 ÷ 物件価格(税込) × 100

現時点の状況を表すものであることから、表面利回りを確認すれば今対象物件を購入すれば直近でどれくらいの家賃収入を得られるのかがわかります。

なお、個人が不動産投資する際に「利回り」という用語が用いられる場合、表面利回りのことを指すことが一般的です。

 実質利回りの意味と計算方法

マンション投資では、物件購入費用以外に固定資産税や管理委託費、修繕費などの費用がかかります。そこで、コストを考慮した利回りを考える際に役立つ指標が実質利回りです。

実質利回りとは、運営時や購入時のコストを考慮し、投資にかかる出費からどれだけ効率よく手元に残る現金を生み出せるのかを示す指標です。以下の計算式から算出できます。

実質利回り(%) = (年間の家賃収入-年間コスト)÷(物件価格(税込)+購入時にかかった諸経費)× 100

実質利回りは、表面利回りよりも実情に即した指標といえるでしょう。

 想定利回りの意味と計算方法

想定利回りとは、対象のマンションが満室であると想定した場合に、対象物件の価格に対して家賃収入がどの程度得られるかを示した指標です。以下の計算式で算出できます。

想定利回り(%) = 年間の家賃収入(満室と想定) ÷ 物件価格(税込) × 100

なお、想定利回りはコストを考慮せずに算出する方法のため、表面利回りの一種として定義されることがあります。

利回りの平均値や目安

都内の不動産の場合、3〜4%程度が目安の利回りといえるでしょう。

日本不動産研究所が実施した「第45回不動産投資家調査」によると、東京都内の賃貸住宅は、ワンルームで4.0(城南地区)〜4.3%(城東地区)、ファミリー向けで4.2(城南地区)〜4.3%(城東地区)でした。
出典:一般財団法人 日本不動産研究所「第45回不動産投資家調査」

期待利回りとは対象不動産がどの程度の収益を出す見込みがあるかを示した数字で、以下の数式で計算されます。

購入後に期待される年間の家賃収入 ÷ 物件価格(税込) × 100

ここから、マンション投資の理想の利回りや、地区別・タイプ別での期待利回りについて紹介します。

マンション投資の理想の利回りとは

築20年くらいまでの物件であれば5〜6%が理想の利回りです。しかし、長期的に家賃収入を得ることを目的とするのであれば、3%前後であっても入居者の人気を集めそうな物件を選んだ方が良いでしょう。

また、首都圏で築20年を超えるマンションであれば、7〜8%の利回りを超えるような物件が理想です。地方の中古マンションであれば、10%を狙った方が良い場合もあります。

地区別・タイプ別で期待利回りを確認

日本不動産研究所が実施した「第45回不動産投資家調査」を参考に、地区別・タイプ別での期待利回りを表にまとめました。

首都圏よりも、地方で期待利回りが高くなる傾向が見受けられます。

地区別期待利回り ワンルーム ファミリー向け
札幌 5.3% 5.5%
仙台 5.3% 5.5%
さいたま 5.0% 5.0%
東京都(城南地区) 4.0% 4.2%
東京都(城北地区) 4.3% 4.3%
千葉 5.0% 5.0%
横浜 4.5% 4.8%
名古屋 4.8% 5.0%
京都 5.0% 5.1%
大阪 4.6% 4.7%
神戸 5.0% 5.1%
広島 5.5% 5.6%
福岡 5.0% 5.0%

出典:一般財団法人 日本不動産研究所「第45回不動産投資家調査」

 

利回り上昇のためにリノベでバリューアップ

マンション投資の利回りは、年数経過とともに低下するという考えもあります。ただし、物件を修繕(リフォーム)することで利回り低下を抑えることが可能です。

また、リノベーションという方法を選ぶことで購入後の利回り上昇も期待できます。リノベーションとは、既存の建物に大規模な工事をおこなうことで物件の価値をさらに高めることです。

修繕やリノベを検討すべき理由やタイミングについて詳しく解説します。

修繕やリノベを検討すべき理由

年数の経過とともに利回りが下がる理由は、物件の外観や設備が古くなることで賃料の低下につながるおそれがあるからです。修繕やリフォームをすることで、外観や設備を新しい状態に保ち、同等の家賃で入居者を集められます。

リフォームと異なり、リノベーションは物件の資産価値を向上させる手段です。リノベーションで最新のマンションのようにすれば、家賃を上げても入居者を集められる可能性があります。

住戸内を全て解体して間取りを自由に変更するスケルトンリノベーションで、無垢材をふんだんに使うケースも、利回りを向上させるリノベーションの一例です。

修繕やリノベを検討すべき時期

修繕やリノベーションをする時期に、これといった目安はありません。今までの家賃では入居者が集まらず、空室率が高くなってきたタイミングで検討すると良いでしょう。

また、リノベーションの費用は決して安くありません。リノベーションすることでどれくらいの家賃上昇が見込めるのかも踏まえた上で、決断することが大切です。

利回りを見る際に注意すること3つ

利回りは、投資判断する際に便利な指標です。しかし数字だけで全てを判断できるわけではないため、利用にあたっていくつか注意しなければならないことがあります。

特に注意しておきたいのが以下の3点です。

1.当初の利回りが続くとは限らない
2.マンション投資には経費がかかる
3.高利回りでも買わない方が良い物件がある
それぞれの注意点を詳しく解説します。

当初の利回りが続くとは限らない

古い物件ほど人気が低下する傾向にあるため、年数経過とともに賃料を低下せざるを得ない可能性があります。そのため、購入時点では高利回りであっても、長期的にみると低利回りになることもあるでしょう。

将来的に利回りが低下することも想定して、収支計画を立てることが大切です。また、状況に応じてリフォームやリノベーションを検討するようにしましょう。

マンション投資には経費がかかる

マンション投資では、さまざまな経費がかかります。不動産取得時の主な経費は以下の通りです。

●登記費用
●司法書士への報酬、不動産仲介手数料
●不動産取得税
●火災保険料・地震保険料
●融資事務手数料・保証料
●印紙代

また、不動産運用時にも以下のような経費がかかります。
●固定資産税
●管理委託手数料
●ローン利息
●修繕費
●火災保険料・地震保険料

マンション投資で物件を選定する際には、表面利回りだけでなく実質利回りもチェックするようにしましょう。また、実質利回りでも全てのコストを考慮していない可能性があるため、自分で費用を確認することが大切です。

高利回りでも買わない方が良い物件がある

高利回りにもかかわらず、買わない方が良いという物件も存在します。特に利便性のよくない物件は、空室率が高くなりやすいため注意が必要です。購入後すぐに修繕費が発生するおそれがあるため、管理状態が悪い物件にも手を出さない方が良いでしょう。

また、地方の物件は都心に比べて利回りが高い傾向にあります。しかし、現在の人口を維持できる可能性が首都圏より低いことから、空室率増加・家賃低下のリスクが高いです。

地方の物件は利回りでみるのではなく、今後も入居者を確保できそうかという点にも重点をおいてください。

利回り以外で注目すべきポイント3つ

注意点で紹介したことからもわかるように、利回りは万能な指標ではありません。そこで、利回りに加え、さまざまな観点から物件を吟味することが大切です。

利回り以外で注目すべきポイントとして、以下の3つが挙げられます。

1.買い手が多い人気エリアか
2.メンテナンスが行き届いているか
3.空室率はどうなっているか
具体的にどのような点を確認すれば良いのか、各ポイントを解説します。

買い手が多い人気エリアか

マンション投資の収入源には、家賃収入(インカムゲイン)だけでなく売却益(キャピタルゲイン)も含まれます。そのため、投資用マンションには買い手が多く売却しやすい人気のエリアを選ぶことがポイントです。

人気エリアの条件には、「人口が集中しやすい」「都心にアクセスしやすい」「単身者の需要が高い」などといった点が挙げられます。

メンテナンスが行き届いているか

適切な管理がなされていなければ、購入後にトラブルが発生して高額な修繕費が発生する可能性があります。メンテナンスが行き届いている物件なのか、必ずチェックするようにしましょう。

たとえ低利回りであっても、メンテナンスが行き届いていれば修繕費を抑えられるため長い目でみると決して悪くない物件の可能性があります。

空室率はどうなっているか

ここまで紹介してきた通り、空室率もマンション投資を考える上で重要な指標となります。どんなに想定利回りが高くても、空室率が低ければ表面利回りは低くなり、収益を上げることができない点を理解しておきましょう。

空室率は以下の数式で求められます。

(空室の数) ÷(全体の部屋数) × 100

また、年間の空室率は以下の数式で算出可能です。

(空室の数 × 空室だった月数)÷(全体の部屋数 × 12ヵ月)×100

マンション投資で収支をマイナスにしないコツ3つ

マンション投資では、家賃収入から諸費用を差し引いた上でお金が余ると収支がプラス、お金が足りなくなると収支がマイナスの状態です。近年のマンション投資需要によって、都心部の人気エリアは、月々の収支が若干のマイナス収支になる事が一般的ではありますが、立地によってはマイナス収支が続くようであれば、物件を売却しても赤字になる可能性があります。

マンション投資で収支をマイナスにしないために、以下の点を心がけましょう。

1.借入時には低金利のローンを選ぶ
2.各種リスクへの対策を講じる
3.セミナーに参加し投資の勉強をする

3つのコツを詳しく解説します。

借入時には低金利のローンを選ぶ

マンション投資にかかる金額は高額であるため、銀行で融資を受けるのが一般的です。ローンを組むと毎月一定額の利息が発生することから、できるだけ低金利のローンを選ぶことで支出を抑制できます。

なお、マンション投資する際のローンは住宅ローン金利より高い傾向があり、2%前後が相場です。金融機関によって条件や適用金利が異なるため、まずは取引銀行に相談してみましょう。

各種リスクへの対策を講じる

マンション投資には、「空室リスク」「家賃滞納リスク」「災害リスク」などのさまざまなリスクが存在します。ただしあらかじめリスクに備えておけば、突如として修繕費が発生することや家賃が下落することを避けられるかもしれません。

リスク対策には、「人気エリアの物件を選ぶ」「リフォームやリノベーションをする」「サブリースを利用する」などが挙げられます。

サブリースとは、不動産会社がオーナーから賃貸物件を一括で借り上げて入居者に転貸する家賃保証制度のことです。不動産会社への手数料は発生しますが、サブリースにより空室がある場合も一定の賃料収入を得られるため、空室リスクの軽減につながります。

 セミナーに参加し投資の勉強をする

自分自身で不動産関連の知識を身につけておけば、どのような物件を選ぶべきか、また、どうすればリスクに備えられるか理解できるため、収支マイナスの可能性を下げられます。効率的に投資の勉強をする方法のひとつが不動産業者のセミナーに参加するという方法です。

疑問点をしっかりと解消できるように、個別での質疑応答にも対応している不動産投資セミナーを選ぶようにしましょう。

マンション投資はまず利回りに注目

物件の価格に対して1年で得られる収入や利益を判断できるため、マンション投資ではまず利回りに注目しましょう。ただし、当初の利回りがそのまま続くとは限らない点やさまざまな費用やリスクも考慮しなければならない点を理解しておくことが大切です。

J.P.RETURNSでは、基礎知識から応用編まで充実した動画セミナーを提供しています。また、個別相談では、個別の質疑応答・相談にも対応しているため、マンション投資が気になる方は気軽にお越しください。

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室田 雄飛

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室田 雄飛

J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長

J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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染谷 重幸

この記事を書いた人

染谷 重幸

大学在学中に家庭教師のアルバイトをきっかけにデイトレーダーへ転身。24歳で資産運用法人を設立する。25歳から大手投資用マンションディベロッパーと業務提携後、およそ6年間にわたり資産運用アドバイザーとして活躍。その後、大手不動産仕入れ会社で販売統括責任者として従来の投資用物件の流通システムを革新するプロジェクトを立ち上げる。国内最大規模の投資イベント「資産運用EXPO」で登壇実績があり、同業他社からも多くの見学者が立ち見の列を作った。2020年にJ.P.RETURNSに参画。オンラインでの商談やWEBセミナーを導入し、コロナ禍でも年間300件以上の顧客相談を担当している。

資格

宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)

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