目次
「毎月ちゃんと家賃が入っているのに、なぜかお金が残らない」
不動産投資を始めた人が最初につまずく壁、それがキャッシュフローの落とし穴です。
利益が出ているように見えても、手元の資金が底をつけば投資は続けられません。最悪の場合、物件を安値で手放す羽目になることも。
実は、キャッシュフローを正しく管理できている投資家とそうでない投資家では、5年後・10年後の資産規模に圧倒的な差が生まれます。
この記事では、キャッシュフローの基本的な意味から計算方法、改善策、そしてマイナスに転じたときの対処法まで、不動産投資で「お金を残す」ための知識を体系的に解説します。初めて投資を検討している方も、すでに運用中で収支に悩んでいる方も、ぜひ最後までお読みください。
そもそも不動産投資のキャッシュフローとは?
キャッシュフローとは現金収入から現金支出を引き、手元に残る資金の流れを意味します。
不動産投資のキャッシュフローとは、「家賃収入から諸経費を引き、手元に残る資金の流れ」を意味することが通常です。
不動産投資では多くの場合、金融機関から一定額を借入して投資物件を購入します。
そして、家賃収入の一部で返済を進めつつ、収益の確保を図る仕組みです。
キャッシュフローの赤字が続く不動産投資では家賃収入から返済資金を確保できず、自己資金を入れなければならない状況も起こり得ます。
すると、自分自身の家計が圧迫されて、生活に支障が出るリスクもあるため、キャッシュフローを意識した投資が重要です。
利益との違い
キャッシュフロー同様、不動産投資で重視される指標の1つが「利益」です。
利益とは、会計ルールに従って計算する帳簿上の収益を意味します。
利益とキャッシュフローでは売上や経費の計上時期が異なるため、注意しましょう。
利益の場合、マンションやアパートの家賃を実際に受け取る・受け取らないにかかわらず、支払い日に収入へと算入するルールです。
一方のキャッシュフローでは家賃の支払いが遅れた場合、実際に受け取ったタイミングで収入へと算入します。
また、利益を計算する際の物件購入費用には、減価償却費(アパートなど耐用年数の長い資産を購入した時、資産価値の目減り分を費用として計上するもの)を含めるルールです。
キャッシュフローでは元本と利子を含めたローン返済額が、物件購入費用にあたります。
【不動産投資】減価償却についての理解を深めると節税できる!
利回りとの関係性
不動産投資の利回りには、表面利回りと実質利回りの2種類があります。表面利回りは年間家賃収入を物件価格で割ったもの、実質利回りは税金や管理費などのコストを差し引いてから計算したものです。どちらも物件の収益性をざっくり把握するための指標として使われます。
ただし、利回りが高い物件が必ずしも、キャッシュフローも良いとは限りません。なぜなら、利回りはローン返済額を考慮しない指標だからです。
たとえば、表面利回り8%の物件であっても、多額のローンを組んでいれば毎月の返済負担が重くなります。結果として、家賃収入の大半が返済に消え、手元にほとんど資金が残らないケースも起こり得ます。
利回りは物件選びの入口として有効な指標です。しかし、最終的に手元にいくら残るかはキャッシュフローで判断することが重要です。利回りだけを頼りに物件を選ぶと、思わぬ落とし穴にはまる可能性があることを覚えておきましょう。
不動産投資でキャッシュフローを重視すべき理由
不動産投資においても、利益が出ているにもかかわらず資金不足によって運用を継続できない状況に陥る「黒字倒産」は起こり得ます。
黒字倒産を回避するためにはキャッシュフローを重視した経営を行い、資金の枯渇を回避する対策が、有効な選択肢の1つです。
特に不動産投資開始直後は、投資物件の頭金などを支払うことで資金不足になりやすく、キャッシュフローを重視する必要性は高いでしょう。
以下では不動産投資の基礎知識として知っておきたいキャッシュフローを重視することのメリットを紹介します。
投資用マンションの売却|適したタイミング・流れ・試算方法を解説
売却価格に影響する
不動産投資を成功させるためには、毎月の家賃によるインカムゲインと売却差益にあたるキャピタルゲインの両方を考慮しておくことが必要です。
不動産投資用物件の売却価格は、多くの場合、収益還元価格をもとに決定されます。
以下は、収益還元価格の計算式です。
収益還元価格の計算式
収益還元価格=年間家賃収入÷還元利回り
還元利回りとは、築年数や構造などの条件をもとに決められている、投資家の想定利回りです。
黒字のキャッシュフローが続いている物件は上記の式の「年間家賃収入」が大きくなるため収益還元価格が高くなり、有利な売却価格での取引を狙えます。
金融機関の評価につながる
金融機関の融資審査では、不動産投資家としての実績もチェックされます。1件目の物件で黒字のキャッシュフローを維持した実績は金融機関から高く評価されやすく、2件目の融資審査に落ちるリスクを軽減することが可能です。
投資物件を自己資金のみで購入する場合、レバレッジ(借入して投資すること)をかけられず、大きな利益を狙えません。
また、レバレッジをかけない不動産投資では物件購入前に自己資金を貯めなければならないため、2件目の取得時期が遅くなる可能性もあります。
極力早く2件目を取得して大きな利益を狙いたい人こそ資金調達の難易度を下げるため、キャッシュフローを重視した経営を行いましょう。
事業拡大を目指せる
黒字のキャッシュフローが続けば、手元に残る資金が増えます。増えた資金を2件目以降の頭金に充てることによって、早期に事業拡大を目指せるでしょう。
また、所有する物件数が増えるほど保有資産は拡大するため、金融機関からの評価をより一層高められる可能性もあります。
結果として審査に落ちるリスクを軽減できれば、よりレバレッジを大きくとる不動産投資が可能です。
キャッシュフロー改善で得た資金の活用方法
不動産投資を成功させるためにはさまざまな費用の支払いが必要であるため、キャッシュフローを改善して、手元の資金を増やすことが大切です。
以下ではキャッシュフロー改善で得た資金の活用方法を解説します。
ローン返済に充てる
空室リスクは、どれほど優良な物件でも完全には避けられません。入居者が個人的な事情で突然退去することは、珍しくないからです。
問題は、空室中もローンの返済は待ってくれないという点です。家賃収入がゼロになっても、毎月の返済額は変わりません。このとき、日頃のキャッシュフロー改善で積み上げた資金があれば、慌てることなく返済を続けられます。
一方、手元に資金がない状態で空室が長引くと、物件の売却を迫られることになります。エリアや間取りにもよるものの、空室状態の物件は買い手から足元を見られやすく、希望価格での売却が難しくなるケースもあります。安値で手放す事態を防ぐためにも、黒字のキャッシュフローを日頃から積み上げておくことが重要です。
修繕費に充てる
不動産投資では、設備の故障が予告なく訪れます。給湯器の突然の破損、エアコンの停止など、修繕費は「いつか必要になる費用」ではなく「マストで必要になる費用」と考えておくべきです。
日頃のキャッシュフロー改善で手元に資金を確保しておけば、こうした急な出費にも慌てず対応できます。入居者への迅速な対応は、退去防止にも直結するからです。
さらに、修繕費として積み上げた資金は大規模修繕にも活用できます。大規模修繕とは、外壁塗装や給排水管工事など、建物の主要部分に対して行う工事のことで、一般的に12年に1回程度の頻度で実施され、まとまった費用がかかります。
突然の大きな出費に慌てないためにも、毎月のキャッシュフローの中から計画的に資金を積み立てておく習慣をつけましょう。
税金などの経費支払いに使う
不動産投資用の物件に対してもマイホームと同様に年1回、固定資産税の支払いが必要です。
固定資産税は不動産投資を継続するための必要経費にあたることから、キャッシュフローで得た資金を活用し、期限内に支払いましょう。
金利上昇などのコストアップへの備えにする
不動産投資ローンの多くは変動金利の商品にあたることから、市場金利が上昇すると、返済負担が重くなります。
返済負担が重くなると当初の返済計画が崩れて、経営が苦しくなる可能性は否めません。
市場金利が上昇しても安定的な経営を続けるためには、キャッシュフローで得た資金を活用し、繰り上げ返済(通常の返済分に上乗せして一定額を支払うこと)する方法が一案です。
繰り上げ返済によって借入額を減らせば毎月の利息負担を調整し、金利上昇による影響を軽減できます。
もしくは、キャッシュフローで得た資金を手数料に充て、当初の計画に近い形で返済を継続できる不動産投資ローンに借り換えをする方法も選択肢の1つです。
不動産投資のキャッシュフローの計算方法
キャッシュフローは「投資物件を購入するかどうか」を決める際の判断材料としても活用できる指標であるため、計算方法を知っておくことがおすすめです。
以下は、不動産投資のキャッシュフローの簡易的な計算式です。
年間キャッシュフローの計算式
年間キャッシュフロー=家賃収入-(ローン返済額+運営経費+所得税・住民税)
上記の式の「運営経費」には、管理会社に支払う管理委託費・固定資産税と都市計画税などが含まれます。
その他にも対象の物件を購入し、不動産投資を行うために必要な費用があれば、運営経費に含めましょう。
たとえば、共用部の維持費を負担しなければならない中古マンション購入を検討している場合はその金額も、運営経費に含めます。
以下は、購入を検討している物件の概要とキャッシュフローの計算例です。
【物件の概要】
年間の家賃収入96万円、ローン返済額60万円、運営経費15万円、所得税・住民税8万円
年間キャッシュフロー
=96万円-(60万円+15万円+8万円)=13万円
上記は月間の家賃収入8万円・常に満室の状態を見込んだ場合の、キャッシュフロー計算例です。
1年に1か月の空室を見込む場合は年間家賃収入が88万円に減少し、不動産投資のキャッシュフローは5万円と計算できます。
不動産投資のキャッシュフローをよくするには?
どれだけ入念にシミュレーションを重ねても、運用が始まれば想定外の出来事は起こります。空室の長期化、金利の上昇、設備の故障などがその代表例です。こうしたリスクを乗り越えてキャッシュフローを黒字に保ち続けるには、事前の対策が欠かせません。
キャッシュフロー改善の手を打てるタイミングは、実は物件を購入する前に多くあります。頭金の額、ローンの金利、物件の築年数、不動産会社の選び方。これらの判断一つひとつが、毎月手元に残るお金の多寡を左右します。以下では、特に押さえておきたい改善策を解説します。
頭金を増額する
物件を取得する際に、より多くの頭金を用意できればローン返済額が少なくなり、キャッシュフローを改善できることがあります。
ただし、不動産投資ローンの頭金を入れすぎることには、以下のデメリットがあるため、慎重な判断が必要です。
頭金を多くするデメリット
- レバレッジをかけにくくなる
- 手元に残す資金が減る
手元に残す資金が減れば、設備の故障など、突発的なトラブルへの対応力が低下します。
また、ほぼすべての預貯金を頭金に回した場合は自分自身の家計が圧迫されて、生活が苦しくなる可能性も否めません。
一方で、頭金が少なすぎればキャッシュフローがマイナスになりやすくなるため、総合的な視点から金額を決定しましょう。
ローンの金利を抑える
不動産投資ローンの金利条件は、融資を行う金融機関によってさまざまです。
複数の金融機関の商品を比較し、低金利で借入できる不動産投資ローンを選択すれば、キャッシュフローは改善します。
ただし、低金利で借入できる金融機関ほど、審査難易度は高いことが通常です。
会社員に対する審査では本業を含めた年収や勤務先なども考慮されるため、自分自身の信用力を客観的に評価して、金融機関を選択することも必要でしょう。
中古物件を選ぶ
中古物件は新築物件と比較して多くの場合、割安価格で購入できます。
割安な物件を購入すれば不動産投資ローンの借入金額を抑えられるため、返済額が少なくなり、キャッシュフローの改善が可能です。
ただし、中古物件の中には購入後すぐに大規模修繕が必要になるものもあります。
大規模修繕に多額の費用がかかればキャッシュフローが赤字化しやすいことから、購入する物件は、慎重に選択しましょう。
不動産会社・管理会社を厳選する
キャッシュフローの改善は、物件選びの段階から始まっています。どれだけ自己努力を重ねても、パートナーとなる不動産会社の質が低ければ、良い物件に出会うこと自体が難しくなります。
信頼できる不動産会社の条件は、スタッフの専門知識と対応の丁寧さ、そして豊富な投資実績の3つです。特に実績は重要です。数多くの投資家をサポートしてきた会社ほど、キャッシュフローを安定させるノウハウが蓄積されています。
J.P.RETURNSは、これまで多くの投資家の資産形成を支援してきた実績を持ちます。駅近・築浅の優良物件を厳選してご提案するだけでなく、キャッシュフローのシミュレーションも無料でサポートしています。物件購入前に収支の見通しを具体的に把握できるため、安心して投資判断を下せます。
また、購入後の運用を左右するのが管理会社の力量です。管理戸数が継続的に増えている管理会社は、オーナーからの信頼を着実に積み上げている証といえます。J.P.RETURNSでは物件購入後の管理体制についても、安心してお任せいただける体制を整えています。
キャッシュフローがマイナスになった時の対処法
運用中にキャッシュフローがマイナスになった場合は状況を的確に把握した上で原因を分析し、正しい対処を取ることが必要です。
そして、赤字化の原因によっては、運用方法を見直すことも必要でしょう。
以下では、キャッシュフローがマイナスになった場合の対処法を原因別に紹介します。
入居率を上げる取り組みを行う
空室率が高いことでキャッシュフローがマイナスになった場合は、入居率を上げるための対策が必要です。
具体的には「入居希望者のニーズに合う物件になっているか」を念頭として、設備交換や機能の追加を検討します。
設備や機能に問題が見つからない場合は広告戦略を見直し、自分自身の物件を知ってもらうための効果的なアプローチを検討しましょう。
家賃を見直す
周囲と比較して明らかに家賃が高い物件では、入居率が上がりません。
周囲の相場をまず調査し、「家賃が高すぎる」と感じる場合は値下げも検討してください。
ただし、空室率の改善を急ぐあまりに極端な値下げを行うと、キャッシュフローのプラス転換が遠のくケースもあります。
家賃改定を検討する際には収支シミュレーションを怠らず、管理会社からの情報も参考にして、妥当な金額を見極めましょう。
ローンの繰り上げ返済や借り換えを検討する
過去に貯めてきた資金があれば繰り上げ返済を行うと、毎月のローン返済額を減らせるため、キャッシュフローを改善できることがあります。
もしくはより有利な条件の不動産投資ローンに借り換えをする方法によっても、キャッシュフローの改善が可能です。
諸費用の内訳を確認し削減を目指す
キャッシュフローをプラス転換させるためには諸費用の内訳を確認し、削減を図ることも必要です。
たとえば、リフォームのノウハウを持っている人は簡単な修繕を自分自身で行うと、業者に依頼するよりも安く済むケースがあります。
物件内の設備を実店舗で購入している場合はインターネット通販も活用し、より割安に購入できる方法を考えましょう。
また、物件の条件が良い場合、管理会社の力に頼らなくても入居率を維持できる可能性があります。
管理委託費が高いと感じる場合は、他の会社への乗り換えも考えましょう。
損切りを検討する
さまざまな努力を行ってもキャッシュフローを改善できない場合には極力早い段階で、損切りを検討する方法も一案です。
不動産投資の「損切り」とは、損失が出ている物件を売却して損失を確定し、損失拡大を回避したり、売却による手元資金を得たりする手段です。
損切りした時点の不動産投資の収支は大幅なマイナスになっても、魅力的な物件で再度不動産投資に挑戦すれば、損失分を取り戻すこともできるでしょう。
大まかな目安として、以下の兆候が見られる場合は損切りを検討するのがおすすめです。
- 周辺の賃貸需要減少が明白である
- 損益分岐点まで家賃を値下げしても、入居者が決まらない
上記の兆候が見られる場合は早く損切りするほど、損失額を軽減できる可能性が高いと言えます。
まとめ:キャッシュフローを制する者が、不動産投資を制する
不動産投資がうまくいくかどうかは、キャッシュフローの管理にかかっています。
毎月の収支を黒字に保つことは、空室や金利上昇などの不測の事態に備えるだけではありません。売却時の価格交渉を有利に進める力にもなり、2件目・3件目へと事業を拡大していくための土台にもなります。そのため、購入時には中長期のキャッシュフローをよく確認してください。
キャッシュフローを改善するには、頭金の額・ローンの金利・不動産会社の選定など、物件購入前の判断が重要です。運用中にマイナスが続く場合は原因を分析し、入居率の改善や費用の見直しから着手しましょう。それでも好転しない場合は、損失の拡大を防ぐために早期の損切りも視野に入れてください。
不動産投資は長期戦です。一時的な収支の悪化に慌てず、正しい知識と適切な対処で乗り越えることが、資産を着実に育てる近道になります。
これから不動産投資を始める方は、ぜひJ.P.RETURNSにご相談ください。優良物件のご紹介はもちろん、キャッシュフローのシミュレーションや運用中のサポートまで、経験豊富なスタッフが丁寧にお手伝いします。
無料個別相談をする










