キャピタルゲイン(不動産売却益)とは?不動産投資で利益を得るポイントや税金についても解説

公開日:2018.11.09

最終更新日:2022.02.16

監修者:室田雄飛

執筆者:染谷 重幸

資産運用を実践している人であれば、利益を手にしたいと考えているはずです。しかし、その際、資本利得(キャピタルゲイン)とインカムゲインのどっちに着目し、どういった方針で投資に取り組んでいるのか考えている人はそれほど多くないかもしれません。
今回は、主に資本利得についてご説明します。また投資方法の中でも不動産投資に着目し、資本利得を得るポイントについて簡単にお伝えします。

「キャピタルゲインの基礎知識」

キャピタルゲイン(不動産売却益)は、不動産投資で得られる利益(資産増加)の一つです。もう一つのインカムゲインと合わせて、互いの違いに留意しつつご説明します。

キャピタルゲインとは

キャピタルゲインとは、有価証券や不動産などの資産の価値が上昇することで得られる利益を指します。購入価格を売却価格が上回れば、資本利得が得られるというわけです。

資本利得という日本語より、「キャピタルゲイン(capital gain)」という英語で呼ばれるケースの方が多いかもしれません。また、場合によっては「譲渡益」と呼ばれることもあります。逆に資産価値が下落したことで発生する損失を「キャピタルロス(capital loss)」と言います。

キャピタルゲインを得られる商品は、株式、債券(国債、社債など)、金、プラチナ、土地、物件などさまざまです。所有している間に価格変動を引き起こす資産であれば、どんなものでもキャピタルゲインかキャピタルロスを発生させます。ただし、一般的な商売で仕入れられる(流動性の高い)物品を売って利益をあげたとしても、これはキャピタルゲインとは呼ばれません。

キャピタルゲインの具体例

キャピタルゲインの具体例として、株式や不動産を売買するケースを考えてみましょう。説明を簡略化させるために、手数料や税金は除外するものとします。

仮に、ある企業の株式を30万円で購入したとします。価値が35万円になった時点で売却すれば、差額の5万円がキャピタルゲインとなります。不動産でも同じことで、1億円で購入したマンションが1億3000万円で売れたとすると、キャピタルゲインは差額の3000万円となります。

いずれにしても、キャピタルゲインを手にするためには値上がりしやすい資産を購入すればよいわけです。ただし資産によって「値上がりしやすいかどうかの見極め方」は変わってきます。次からは、不動産投資を例としてキャピタルゲインを得るためのポイントについてご説明します。ただし、このご説明は株式などほかの資産を見る際にも役立つはずです。

 

「不動産投資におけるキャピタルゲインとインカムゲイン」

キャピタルゲインとインカムゲインの違い

キャピタルゲインと対になる言葉が「インカムゲイン(income gain)」です。これは、資産を保有することで得られる利息や配当、分配金、家賃などを指します。毎月や年2回など、定期的で反復性を持つがインカムゲインの特徴です。これに対してキャピタルゲインは、一種類の資産から繰り返し得られるような利益ではありません。

キャピタルゲインとインカムゲインそれぞれのメリットとデメリット

キャピタルゲインのメリットを一言でいえば、資産の売却による値上がり益によって短期間で大きな利益を得ることができる事です。

しかし、デメリットとしてこれを得るには、保有する資産を売却しなければならず、手放さなくてはなりません。なぜならば、保有している間は、利益はただの含み益でしかなく、実際に手に入れたことにはならないからです。

インカムゲインのメリットを一言でいえば、資産を保有する事で得ることができる利益です。

キャピタルゲインよりもインカムゲインの方が、利益を獲得する“機会”が多いといえますが、インカムゲインで一度に得られる利益は、キャピタルゲインよりも小さい傾向にあります。

そのため、大きく利益を得たい場合はキャピタルゲインよりも保有資産を多くする必要があるでしょう。

 

「不動産投資におけるキャピタルゲイン(不動産売却益)における税金」

キャピタルゲインにおける税金に関しては、他の所得と区分して計算します。 売却時に長期譲渡所得か短期譲渡所得かによって、適用する税率が異なります。

土地や建物を売ったときに譲渡所得に対する税金は、分離課税といい給与所得など、他の所得と区分して計算する必要があります。ただし、確定申告の手続時に、他の所得と一緒に行うこと  になります。

長期譲渡と短期譲渡に関しては、売った土地や建物の所有期間が、売った年の1月1日現在で5年を超えるかどうかにより、適用する税率が異なります。

分離課税の譲渡所得の課税対象には、土地のほか、借地権や耕作権など土地の上に存する権利及び、海外に所在する土地や建物も含みます。

 

税額の考え方は、課税譲渡所得金額に税率を掛けて税額を計算します。

税率は、前記で述べている様に「長期譲渡所得」になるか、「短期譲渡所得」になるかによって、下の表のように異なります。

土地や建物を売った年の1月1日現在で、所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」に、5年以下の場合は「短期譲渡所得」になります。

税率
区分 所得税 住民税
長期譲渡所得 15% 5%
短期譲渡所得 30% 9%

注1:マイホームを売ったときには、税率を軽減する特例があります。
「1(2) 軽減税率の特例」参照)

注2:確定申告の際には、所得税と併せて基準所得税額(所得税額から、所得税額から差し引かれる金額を差し引いた後の金額)に2.1%を掛けて計算した復興特別所得税を申告・納付することになります。

出典元:国税庁HP https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_2.htm

 

「不動産投資でキャピタルゲインを得るためのポイント」

不動産投資をする際に、購入した不動産・物件からキャピタルゲインを得るためのポイントを2点ご紹介します。いずれも基本的なことではありますが、基本だからと軽視せず地道に丁寧に情報収集を行うことが大きな鍵です。

立地条件がよい物件を購入する

立地のよい場所にある物件を購入すれば、やはり価値が下がりにくいです。駅近で商店や役所、学校などの施設にも行きやすい場所などがよい立地の条件となります。こうした物件に対する需要が高い傾向にあるため、購入額よりも高値で売れる(=キャピタルゲインを得られる)可能性があります。

一般的には年月の経過とともに物件の価値が下がっていくことが多いかもしれませんが、地区の情報をこまめに収集し需要の高い物件を購入できればチャンスです。

適切に管理・運営されているかを調べる

不動産投資初心者であれば、さら地に新たな住宅を建設するケースはあまりないと思います。やはり中古物件を購入して運営するケースが多いでしょう。中古物件だと、立地がよくても管理状態が悪ければキャピタルゲインを得るのは難しくなります。

共用部や設備の状況などを確認して、きちんと管理されている物件かどうかを調べることが重要です。通路が汚れていたり、掲示物が整理されていなかったりする物件は、管理が行き届いていないと考えるべきでしょう。もちろん管理会社に問い合わせて管理の改善希望を伝えることもできますが、初心者のうちはそもそも手を出さないという判断が無難でしょう。

管理や運営状況に関する情報を紙やインターネット上の資料から得ることはできません。自ら現地に赴き、足で生の情報を集めに行く心がけが求められます。

キャピタルゲインを目指すなら、売りやすい物件を選ぶことが重要です。物件タイプで言うと、初心者にはワンルームマンション投資がおすすめです。ファミリー向けマンションよりも安価なことが多く、売りやすいという特徴があります。投資家観点で考えても、少額の資金で始められるのはメリットです。

 

「キャピタルゲインに加えてインカムゲインにも着目して投資を考える」

お金を投資するのであれば、どういった形で利益を得たいのか大まかにでも方針を考えることが大切です。個人の年齢や資産額、収入や性格などに応じて方針は変わってくるのでしょうが、少なくともキャピタルゲインとインカムゲインの2つに着目すると分かりやすいでしょう。つまり短期的な売買を繰り返してキャピタルゲインを狙うのか、長期保有でインカムゲインを増やすのかということです。

こと不動産投資に限って言うと、最初からキャピタルゲインだけを考えてインカムゲインを無視するという方針は採りにくいかもしれません。一般的には、家賃収入を得やすい物件(土地)であれば資産価値が向上しやすく、キャピタルゲインを得やすいと考えられるからです。キャピタルゲインを狙う場合でも、まずは長く入居者を集めやすい立地、集めやすい管理体制の構築であることが必要と考えられます。

 

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J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長

J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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染谷 重幸

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染谷 重幸

大学在学中に家庭教師のアルバイトをきっかけにデイトレーダーへ転身。24歳で資産運用法人を設立する。25歳から大手投資用マンションディベロッパーと業務提携後、およそ6年間にわたり資産運用アドバイザーとして活躍。その後、大手不動産仕入れ会社で販売統括責任者として従来の投資用物件の流通システムを革新するプロジェクトを立ち上げる。国内最大規模の投資イベント「資産運用EXPO」で登壇実績があり、同業他社からも多くの見学者が立ち見の列を作った。2020年にJ.P.RETURNSに参画。オンラインでの商談やWEBセミナーを導入し、コロナ禍でも年間300件以上の顧客相談を担当している。

資格

宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)

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