アパート経営はやめたほうがいい?向いている人の特徴も!

公開日:2023.12.19

最終更新日:2024.01.10

監修者:室田雄飛

執筆者:杉山 明熙

「アパート経営はやめておいたほうがいい」という言葉を聞いたことはありませんか?アパート経営は長期的に安定した収益を得られるメリットがある分、多くのリスクを背負わなければいけません。しかし、あらかじめ起こりうるリスクを把握し、適切な対策を立てておけばアパート経営の成功率が上がります。
この記事では、アパート経営はやめておいたほうがいいといわれる理由や、向いている人の特徴、アパート経営を成功させるためのポイントを解説します。アパート経営で成功したい人はぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

アパート経営はやめたほうがいいといわれる4つの理由

なぜアパート経営はやめたほうがいいといわれるのでしょうか。ここでは、その要因を4つ紹介します。

初期費用が高額で借入金額が多すぎるから

アパート経営は、金融機関から高額な借り入れを行いスタートすることがほとんどです。その際に過剰に借り入れをした結果、返済が難しくなり失敗するケースがあります。

アパート経営は数千万円〜数億円の初期投資が必要な不動産投資です。高額な借り入れを行ったにもかかわらず、空室が多かったり、アパートの修繕費が多くかかったりすると、金融機関へ返済ができず、最悪の場合差し押さえがかかることも考えられます。

このように、アパート経営では初期投資として高額な費用がかかり、借り入れを起こさなければいけないという理由から、やめておいたほうがいいといわれています。

空室があると家賃収入が減ってしまうから

アパート経営を始める理由として、安定的な家賃収入を得られるという点がありますが、アパートに空室があるとその分家賃収入が減ってしまいます。アパートに空室リスクがあることも、やめたほうがいいといわれる理由です。

アパート経営には金融機関への返済の他に、建物の維持修繕や固定資産税の支払いなどのランニングコストがかかります。入居者が減り家賃収入が少なくなると維持費だけで赤字になることがあり、資金繰りが回らなくなってしまうのです。

悪質な管理会社に騙される可能性があるから

アパート経営では、管理委託契約やサブリース契約を管理会社と締結することがあります。その際に悪質な管理会社と契約をしてしまい騙されるおそれがあることから、やめたほうがいいといわれています。

とくに、近年ではサブリース契約によるトラブルが後を絶ちません。サブリース契約とは、管理会社が転貸目的で建物を借り上げて、オーナーに代わって経営を行うことです。アパートオーナーは空室の有無にかかわらず、一定の家賃を得ることができます。

しかし、サブリース契約でオーナーに入る収入は、家賃から料率分を差し引いた金額だけです。そのため収益率が下がってしまい、さらに保証されている家賃が一定期間で減額することもあります。悪質な管理会社は、このような重要な説明を省いて契約を急がせようとするのです。

悪質な管理会社に騙されないためにも、管理会社との契約内容を十分に把握し、必要に応じて不動産投資のプロに相談することも検討しましょう。

家賃滞納などの経営トラブルがあるから

アパートを経営するうえでは、家賃滞納や入居者トラブル、クレームなどが発生することがあります。オーナーはその対応で精神的に大変だというイメージがあるため、アパート経営はやめておいたほうがいいといわれているのです。

騒音問題などの入居者トラブルが起こり問題が解決しないと、最悪の場合退去による空室が出てしまうでしょう。また、家賃滞納や夜逃げが起きると、数ヶ月の間家賃が入ってこないことがあり、問題が片付くまでに多くの労力や費用がかかってしまいます。

ただし、アパート経営は管理会社に管理を委託することがほとんどです。トラブルをスムーズに解決するためにも、管理会社選びは慎重に行い、信頼できる会社に委託するようにしましょう。

アパート経営に向いていない人の特徴とは

アパート経営で失敗してしまう人には、共通する特徴があります。ここでは、アパート経営に向いていない人の特徴を詳しく解説します。

リスクを背負いたくない人

アパート経営ではリスクを避けることができないため、一切リスクを背負いたくない人にはアパート経営は向いていません。

代表的なアパート経営のリスクには以下のものがあげられます。

● 立地や周辺環境の変化による空室リスク
● 建物の劣化による修繕リスク
● 火災や地震による災害リスク
● 不動産価格の下落リスク

なお、新築アパートか中古アパートかによってもリスクは変わってきます。新築アパートの場合は、建物が新しいため入居者が集まりやすく、空室リスクを低く抑えられます。しかし、初期投資額が高いため、利回りが低くなってしまいがちです。

その反面、中古アパートは物件価格が安く利回りが高くなりやすいですが、経年劣化による修繕リスクが高い側面があります。

このように、アパート経営にはリスクが付きまとうため、リスクを背負わずにリターンだけほしいという人には不向きといえます。

情報収集や勉強が苦手な人

アパート経営は管理委託契約やサブリース契約により、管理会社に経営を委託できます。管理会社に委託すると入居者対応や家賃管理を代理で行ってもらいますが、すべてを任せきりにしてはいけません。アパート経営で成功するためには、オーナーが主体となって経営に取り組まなければいけないのです。

まずはオーナー自身が情報収集を怠らず、常に勉強に取り組むことが重要です。金融情勢に気を配り銀行の情報を常にチェックすることや、セミナーに参加して他のオーナーから経営のノウハウを学ぶなど、一経営者としての自覚を持ちましょう。

すぐに収入を得たい人

投資というと、すぐに利益が出て儲かるイメージをもつ人もいますが、アパート経営で利益を出すためには10年近い期間が必要になります。そのため、不動産投資ですぐに儲けたいという人には、アパート経営は向いていません。

アパート経営は、高額な初期投資が必要なため、最初の1〜2年間は赤字を覚悟する必要があります。その後、年単位で黒字が出たとしても、修繕費などで思わぬ出費がかさむこともあり、黒字化するためには長期的な計画が必要となるのです。

アパート経営ですぐに利益を出そうとすると、判断を誤って失敗してしまう可能性が高いため、長期的な視点を持てない人は、やめておいたほうがいいでしょう。

利回りの高さだけを重視する人

アパート経営において、利回りを意識することは重要です。しかし、利回りだけを重要視して他のリスクを考慮しない人はアパート経営で失敗します。

よくあるケースとして、表面利回りが高い物件には、空室リスクや修繕リスクも高いという傾向があります。中古アパートを購入するタイミングで大規模な修繕が必要な物件や、価格が安い分設備が古く大部分を取り替える必要がある物件など、利回りが高い物件の選定には注意が必要です。

他人の意見に流されやすい人

アパートオーナーには、多くの選択や判断を求められる機会があります。その際に、他人の言うことばかりに流されて自分で判断できない人はアパート経営に向いていません。

たとえば、どの金融機関で借り入れを起こすのか、アパートにどのような特色をつけていくのかなど、アパート経営にはさまざまな経営判断が求められます。管理会社に管理を委託している場合、管理会社からは自社の利益になることばかりを提案される可能性があるため、適切な自己判断ができるオーナーにならなければいけません。

アパート経営は不動産投資の中では判断することが多い事業なので、他人の意見に流されやすい人はアパート経営には向いていません。

オーナーになって満足する人

アパートオーナーになることがゴールだと勘違いする人は、アパート経営に向いていません。アパート経営には多くのリスクがあり、適切な経営計画を立てる必要があります。そのため、オーナーになったことに満足して何もしない人は危険といえます。

「アパートオーナーになることはゴールではなくスタート」という意識をしっかりと持ち、長期的な視点で経営計画を立てましょう。

アパート経営に向いている人の特徴5つ

アパート経営にはどのような人が向いているのでしょうか。ここからはアパート経営に向いている人の特徴を5つ紹介します。

決断力がありすぐ行動に移せる人

アパート経営は物件の購入や修繕などで、大きな金額を動かす機会が多い不動産投資です。そのため、どの物件を購入するのか、いつリフォームをするのかということを勇気をもって判断しなければいけません。

アパート経営はとくに人との接点が多い投資です。物件購入や入居者を決める場面など、他人の意見に流されず、自分で適切な判断ができる人がアパート経営に向いています。

さらに、決めたことをすぐに行動に移すことも重要なポイントです。入居者トラブルがあった際にすぐに現場を見て対応する、または物件を購入する際に現地に足を運んで自分の目で確かめるなど、労力を惜しまずに動ける人がアパート経営で成功する可能性が高いでしょう。

几帳面で真面目に取り組める人

アパート経営は10年以上にわたるプロジェクトであることから、綿密な計画が立てられる几帳面で真面目な性格の人が向いています。

たとえば、お金の流れを把握するためのキャッシュフローの計算は、あらゆる数字を用いなければいけませんが、状況が変わる度に計算をし直して対策を練れる人がリスクに備えることができます。また、入居者によるクレームが入った際に管理会社が対応したとしても、後日オーナーからお詫びの連絡を入れる気配りがあれば、退去リスクを減らすことができるでしょう。

さらに、不動産投資に関する基礎知識や経営の勉強、人脈作りに真面目に取り組むことも重要です。アパート経営は多様な知識が必要な投資のため、知識を得るための労力を惜しまない人が向いている事業だといえます。

リスクをきちんと把握している人

アパート経営では、毎月の安定的な収入ばかりに目がいきがちですが、リスクがあることを理解してそれに対する対策を立てられる人が向いています。

具体的には、空室が目立ち始めてきたときにいつもと違う仲介会社に募集をお願いしてみたり、建物の修繕リスクに備えてあらゆる工事業者に見積もりを取ったりするなど、リスクを踏まえて先手を取ることが重要です。

目先の利益ばかりに気を取られず、堅実なアパート経営を目指しましょう。

長期的な目線を持っている人

アパート経営は、高額な初期投資のために20年以上のローンを組むことになるので、最初のうちはマイナスの収支が続きます。そのため、長期的な目線を持った経営ができなければ全体的なバランスを把握できません。よって、目の前の収支だけでなく、長期的な視点で計画を立てられる人がアパート経営に向いています。

とくにアパート経営は、他の投資商品と違い長期間にわたる事業です。アパート経営を始める際に、どのような経営をするのかという目標を掲げ、最終的な出口戦略をあらかじめ描いておくことが成功への近道といえます。

入居者の立場に立った経営ができる人

アパート経営で重要なことは、空室率を下げて入居者に長い期間住んでもらうことです。そのためには、入居者の気持ちになって住みやすい環境を整えることが必要です。自分の利益ばかりを見ず、入居者の立場に立てる人がアパート経営に向いているでしょう。

たとえば、入居者から「セキュリティが不安だ」という声が多ければオートロックを導入したり、単身者向けに宅配ボックスを導入したりすると入居者に喜んでもらえます。入居者への細かい配慮が空室率を下げて安定したアパート経営につながるのです。

このように、アパートオーナーとしての責任を持ち、入居者のために尽くせる気持ちが重要だといえるでしょう。

アパート経営の成功率を上げるための3つのポイント

アパート経営を検討している人は、「アパート経営はやめたほうがいい」という言葉をそのまま受け入れるのではなく、成功率を上げるための対策を考えましょう。ここからは、アパート経営に成功するためのポイントを3点紹介します。

自己資金割合を高くする

アパート経営をスタートさせる際に、自己資金割合を高くすると成功率が上がります。アパート経営は初期費用を金融機関からの融資でまかなうことが多いので、借入金額を減らすことで毎月の負担を減らせます。

突発的な修繕や予想外のアクシデントが起こった際に柔軟に対応できるよう、できるだけ借入金額を減らすことが重要です。自己資金割合の目安としては、30〜50%程度がおすすめです。

また、近年では投資用ローンで不正融資が発覚したこともあり、審査が厳しい傾向にあります。自己資金をしっかり用意しなければ、融資を受けることができない可能性があるので注意が必要です。できるだけ多く自己資金を用意することで健全なアパート経営ができるため、自己資金割合を高めることを心がけましょう。

質の良い管理会社を選ぶ

アパート経営を成功に導くためには、管理会社を適切に選ぶことが重要です。管理委託やサブリース契約を締結すると、入居者対応や入居者募集は管理会社が行うため、質が悪い管理会社を選んでしまうとアパート経営が安定しません。

管理会社を見極めるコツとしては、客付け力が高い管理会社を選ぶことです。管理会社の客付け力が高いと、アパートに空室が出ても早い段階で埋めてくれるため、入居率が高まりアパート経営が安定します。

また、その地域での管理戸数が多い会社もおすすめです。地域での管理戸数が多いとエリア情報に詳しく、入居者募集において優位に立つことができます。さらに、地域のコミュニティでオーナーの負担軽減にもつながるため、地域に強い管理会社を選ぶようにしましょう。

長期的な視野で経営計画を立てる

アパート経営は黒字化するまで10年近くの期間を要するため、長期的な視野で計画を立てなければいけません。物件を取得する際の初期費用はもちろん、修繕や税金などのランニングコストや空室リスクにも気を配る必要があります。

行き当たりばったりの経営にならないよう、常にシミュレーションを行うことを忘れず、できれば20〜30年先の収益計画書を作成しておくと安心です。

また、状況に合ったキャッシュフローのシミュレーションも重要なポイントです。帳簿上の所得と実際のお金の流れであるキャッシュフローでは、手元に残る現金に差が生まれるため、キャッシュフローを正確に把握できるようにしましょう。

ただし、オーナーが一人で長期的な計画を立てることは難しいかもしれません。そのときは、管理会社や不動産投資のプロに相談してみると良いでしょう。

まとめ

今回は、アパート経営はやめたほうがいいといわれる理由や、向いている人の特徴を解説しました。アパート経営は、初期投資として高額なローンを組むことや、空室があると安定的な家賃収入が得られないリスクなどから、やめておいたほうがいいといわれています。

ただし、アパート経営に向いている人が適切な計画を立てて経営に取り組めば、成功率が上がるでしょう。あらゆるリスクを把握して長期的な目線を持った人がアパート経営に向いており、管理会社を適切に選ぶなどの対策を取れば安心してアパート経営を行うことができます。

しかし、どのような経営計画を立てれば良いのか、どの管理会社に依頼すれば良いのかは一人ではわからないものです。J.P.RETURNSでは、そのようなアパートオーナーに向けた個別相談を行っています。長期的な経営計画や節税方法、適切な出口戦略など、あらゆるご相談を承っていますので、J.P.RETURNSまでお気軽にお問い合わせください。

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室田 雄飛

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室田 雄飛

J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長

J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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杉山 明熙

この記事を書いた人

杉山 明熙

元不動産営業の専業WEBライター。
不動産営業を12年間経験し店長、営業部長として、売買仲介、賃貸仲介、新築戸建販売、賃貸管理、売却査定等、あらゆる業務に精通。
個人ブログにて不動産営業への転職のお手伝い、不動産営業のノウハウ、不動産投資のハウツーなどを発信。
不動産業界経験者にしかわからないことを発信することで「実情がわかりにくい不動産業界をもっと身近に感じてもらいたい」をモットーに執筆活動を展開中。

資格

宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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