不動産投資で備えたい地震リスク|生じる責任、対策や備えを解説

公開日:2023.12.16

最終更新日:2025.04.11

監修者:室田雄飛

執筆者:染谷 重幸

不動産投資を検討するにあたり、地震リスクが怖くて購入に踏み切れていないという人もいるのではないでしょうか。

確かに、地震の多い日本では、不動産投資を行う際に地震リスクについて把握し、備えておく必要があります。しかし、予測できない自然災害であっても、保険などに加入して備えておけば、そこまで致命的な損害は受けないでしょう。

本記事では、不動産投資の地震リスクや、事前対策について詳しく解説します。物件探しや土地選びなど、不動産投資を始めるときにしっかり対策をしておけば、致命的なリスクにはならないでしょう。

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不動産投資の地震リスクは?

不動産投資(マンション投資・マンション経営)にはメリットも多い一方で、空室リスクや家賃滞納リスク、不動産価値下落リスクといったさまざまなリスクもあります。これらのリスクの中でも、台風など自然災害によるリスクは予測が難しく、特に地震災害リスクを予測することは非常に困難であると言われています。

日本は地震の多い地震大国であり、地域を問わず大きな地震が発生する可能性は低くありません。一定の周期で起こると言われる「南海トラフ地震」は30年以内に70~80%、「首都直下型地震」は30年以内に70%程度の確率で発生すると考えられています。不動産投資を行う際には「地震は起こるもの」として備えを進める必要があります。
対策をするためには、地震発生の際にマンションなどの不動産がどのような被害が発生するのかを把握しておきましょう。ここでは、不動産投資における地震による主なリスクを2つ紹介します。
(参考:国土交通省「国土交通白書 2020」/https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r01/hakusho/r02/html/n1222000.html

建物の倒壊リスク

地震の規模にもよりますが、大きな揺れを伴う地震が発生した場合、建物自体が倒壊するリスクもゼロではありません。1995年の阪神淡路大震災では、広い範囲で建物の倒壊が起こり、建物という資産だけでなく多くの人命が失われました。震災による死者の約7割が建物の倒壊などが原因で亡くなったとされており、甚大な人的被害があったことが分かります。

一方で、マンションは地震に強い傾向があると言われています。2011年に発生した東日本大震災においても、建て替えや大規模補修・修繕が必要となるマンションの被害はほとんど報告されませんでした。不動産投資におけるマンションの倒壊リスクは、他の種類の建物よりも低いと考えられるでしょう。

ただし、被害の状況によって、修繕なしでは住み続けるのが難しくなるケースもあります。修繕費の積み立てや保険などで備えておく必要があるでしょう。

液状化リスク

液状化とは、地震の発生により地盤が液体状になる現象であり、特に、以前は河川や池、海であった場所が埋め立てられてできた土地で発生しやすいと言われています。

地震によって地盤が液状化した場合、その土地にある建物が傾いたり沈下したりする恐れがあります。特に基礎が浅く建物の重量が軽い木造住宅・木造アパートは、液状化による被害が発生しやすいことを押さえておきましょう。また、液状化の影響により、土地の価格が下落するリスクもあるため注意が必要です。

液状化によって傾きが発生すると地震保険の対象になるケースもあります。

収支悪化リスク

不動産投資において、地震は収支を直撃する大きなリスク要因です。地震発生後、建物に損傷が生じると、まず緊急の修繕費用が発生します。特に部屋内の生活に関わる故障は、すぐに対処しなければいけません。被害が大きくなると設備交換などのような、予期せぬ出費が必要となり、大規模な被害では建物の構造補強や建て替えといった多額の費用負担が発生するケースも稀にあります。

もし周囲の物件で大きな被害が起きた場合も、周辺エリア全体で不動産価値が下落し、家賃減額につながる可能性もあります。

被害の状況によっては、入居者が自主的に退去するケースもあり、収入減と支出増が重なり、収支計画が狂う可能性もある点に注意が必要です。

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地震被害は不動産オーナーの責任になる?

不動産投資を検討している方の中には、地震被害に対してオーナーの責任がどの程度発生するか不安に感じている方もいるでしょう。

結論から言うと、地震などの自然災害は不可抗力であり、地震の発生によって入居者に被害が出た場合も基本的にはオーナーの責任にはなりません。

ただし、建物が建築基準や耐震基準を満たしていない場合は、建物自体に瑕疵(かし)があったと見なされます。実際に、阪神淡路大震災で倒壊した建物の中には設置の瑕疵があるものもあり、オーナーに損害賠償責任が生じたケースもありました。

また、建物自体に瑕疵がなくても、建物・設備の老朽化によって入居者に被害が生じた場合、オーナー側に過失があると見なされ責任が問われる可能性があります。被害者をなるべく出さないようにするためにも、定期的に修繕を行い、建物や設備の点検をしておきましょう。

不動産投資で地震リスクに備えるには?

不動産投資を始める際には、「地震はいつ起こってもおかしくないもの」として地震リスクに備えることが大切です。下記のような対策を十分に行い、地震への備えを整えておきましょう。

◆不動産投資における地震リスクへの備え

・新耐震基準の物件を選ぶ
・地震保険に入る
・ハザードマップを確認する
・投資エリアを分散する
・余裕のある収支計画を立てる

ここでは、上記5つの地震リスクへの対処法についてそれぞれ詳しく解説します。

新耐震基準の物件を選ぶ

地震による倒壊・損傷リスクを低減するためには、1981年の建築基準法改正に伴って導入された「新耐震基準」を満たす投資用物件を選ぶことが大切です。

1981年以前にも耐震基準はありましたが、「旧耐震基準」では震度5程度の地震で倒壊しない程度の耐震性が求められていました。一方、新耐震基準では震度6強から震度7の地震に対しても倒壊・損壊しない強度が要求されています。基準をクリアできる強度が大幅に異なることを押さえておきましょう。

実際に、阪神淡路大震災では、1981年以前に建築された建物のうち約30%は大破、約35%は中破・小破し、被害が軽微または無被害であったものは35%程度と報告されています。一方、1981年以降に建築された建物では、約75%が無被害または軽微な被害で済み、大破以上の被害のあった建物は10%未満と被害状況が大幅に異なっていました。
(出典:国土交通省「Ⅰ 住宅・建築物の耐震化に関する現状と課題」/https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/taishin/jisinnbousaisuisinkaigi/jisinnsiryou3.pdf

このように、新耐震基準を満たすマンション・アパートは、地震の揺れに対して強度が高く、地震被害を最大限抑えられると考えられます。物件を選ぶ際には、新耐震基準を満たしているか必ず確認しましょう。

地震保険に入る

地震によってマンション・アパートが被災した場合に備えて、地震保険に加入しておくことも重要です。

地震保険とは、地震や火山の噴火によって発生した火災や損壊、津波による流出など、火災保険の補償内容ではカバーできない被害に備える保険を指します。保険料はやや高いものの、地震の多い日本では必要性の高い保険と言えるでしょう。地震保険は火災保険に付帯する保険であるため、両方に加入することが大切です。

地震保険の保険金は地震で被害に遭ったマンションの再建・修繕費用や、ローン返済のための資金に活用できます。ただし、地震保険の保険金の支払い上限額は火災保険の保険金額の30~50%の範囲内となります。範囲内の支払い上限は建物5,000万円以内、家財1,000万円以内であり、被害額の全額が補償されるわけではない点に注意してください。

ハザードマップを確認する

不動産投資における地震リスクを低減させるためには、投資エリアのハザードマップを確認しましょう。

ハザードマップとは、自然災害による被害を軽減し、防災対策をするために作成された地図のことであり、想定される被害程度や危険度、避難所の位置などを確認できます。市区町村の役所や役場、あるいは自治体のホームページからも入手可能です。活断層の位置情報や液状化被害想定図、津波・高潮情報などを活用し、自然災害による危険性が低いとされる場所を中心に物件選びを進めるようにしましょう。

投資エリアを分散する

災害リスクの種類や大きさは、エリアごとに異なります。1つの自然災害ですべての投資物件が被害に遭うような事態を避けるためにも、複数のマンション・アパートに投資する場合は投資エリアを分散するとよいでしょう。

また、不動産投資エリアを分けると、空室リスクの分散にもなります。分散投資は不動産管理が複雑化するというデメリットがあるものの、多方面でのリスク対策ができるメリットは大きいと言えるでしょう。

余裕のある収支計画を立てる

不動産投資における地震リスク対策の要は、余裕を持った収支計画です。地震発生時には、保険に加入していても、建物修繕費、一時的な家賃収入の喪失、入居者流出などの支出増と収入減が同時に発生します。ぐに保険金がおりずに、出費が先行するケースも十分に考えられます。こうした非常事態に対応するためには、平常時から資金的余裕を確保しておくのが不可欠です。

具体的には、毎月の収支において「修繕積立金」を通常より多めに設定し、突発的な修繕費用に対応できる資金を蓄えておくことです。また、空室率を多めに見積もり、実際より低い家賃収入でも運営できる計画を立てておくと、空室発生時の収入減にも難なく対応できるでしょう。

余裕のある収支計画は、地震という最悪のシナリオに直面しても、投資物件を手放すという最終手段を避け、長期的な投資継続を可能にするでしょう。

まとめ:地震リスクへの対策をして不動産投資で資産を築こう

不動産投資を行う際は、地震リスクに備えておくのが大切です。日頃から適切に物件を管理している限り、地震による被害は基本的にオーナーの責任にはなりませんが、被災に備えて地震保険の加入をしておきましょう。また、物件を選ぶ際に地震に強い建物を選んだり、ハザードマップで被害が少ないと想定される立地を選んだりするのもリスク軽減になります。

不動産投資に関するリスクや悩みについては、不動産の専門家に相談することもおすすめです。J.P.RETURNSではマンション投資の個別相談を行っているため、不動産投資について疑問がある方はぜひ一度お問い合わせください。
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室田 雄飛

J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長

J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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染谷 重幸

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染谷 重幸

大学在学中に家庭教師のアルバイトをきっかけにデイトレーダーへ転身。24歳で資産運用法人を設立する。25歳から大手投資用マンションディベロッパーと業務提携後、およそ6年間にわたり資産運用アドバイザーとして活躍。その後、大手不動産仕入れ会社で販売統括責任者として従来の投資用物件の流通システムを革新するプロジェクトを立ち上げる。国内最大規模の投資イベント「資産運用EXPO」で登壇実績があり、同業他社からも多くの見学者が立ち見の列を作った。2020年にJ.P.RETURNSに参画。オンラインでの商談やWEBセミナーを導入し、コロナ禍でも年間300件以上の顧客相談を担当している。

資格

宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)

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