マンションやアパートを一棟買いするといくら必要?
マンションやアパートを一棟買いするために必要な資金は、新築マンション・中古マンションによってそれぞれ異なりますが、おおむね1~3億円程度は必要です。小規模で1億円以下のマンションがある一方、規模が大きくなれば3億円以上にもなります。東京都心ではさらに跳ね上がります。
必要な自己資金も区分マンションと比べて多くなるでしょう。年収や資産などの個人属性によって左右されるものの、一般的に1~3割程度は必要とされています。仮に2億の物件なら2,000~6,000万円となり、多くの人にとって準備するのが大変な金額です。
個人属性が金融機関に評価されれば、物件価格のすべてを借りられるフルローンになる可能性もあります。しかし、フルローンで購入できても、手元に自己資金がないと、急遽修繕が必要になった際に困るなどのリスクもある点は、注意してください。
それでは、新築一棟マンション、中古一棟マンションの費用相場を解説していきます。
新築一棟マンションの費用相場
新築一棟マンションを建築するのにいくら必要になるのかについては、国土交通省がまとめている、「建築着工統計調査」から把握できます。
構造 | 床面積の合計 | 建築費用 | 坪単価 |
木造 | 44,509,508㎡ | 787,365,029円 | 約58万円 |
鉄骨造 | 8,963,968㎡ | 242,947,017円 | 約89万円 |
鉄筋コンクリート造 | 12,466,701㎡ | 345,203,608円 | 約91万円 |
1LDKが20室のマンションを建築する場合、必要な面積の合計は160坪ほどとなるため、費用は次のようになります。
・木造:9,280万円
・鉄骨造:1億4,240万円
・鉄筋コンクリート造:1億4,560万円
なお、上記の建築価格相場は2022年当時のものです。
現在はさらに建築価格が高騰しているため、上記よりも2〜3割程度高い価格になる可能性があるでしょう。
中古一棟マンションの費用相場
中古一棟マンションの費用相場は、面積や地域によって異なります。
首都圏であれば10億を超えるマンションがある一方、地方であれば1億円前後で購入できるマンションも多数あります。
例えば、東京では1億を下回るマンションがほぼなく、数億円以上物件が多いです。神奈川では、1億円以下のマンションが増え、1億円台の物件も多く見受けられます。一方、地方で築年数が古くなると、5,000万円以下で購入できる場合もあります。
「融資を含めいくら用意できるのか」といった資金調達の面と、利回りや中長期的な将来性などを加味して決めるのがおすすめです。
マンションの一棟買いがおすすめの理由5つ
マンションは区分所有よりも一棟買いのほうがおすすめだと言われます。主な理由は次の5点です。
・投資効率が良い
・土地を所有できる
・空室リスクを分散できる
・資産価値が高めやすい
・不動産経営の自由度が高まる
5つのメリットについて解説していきます。
投資効率が良い
マンションは部屋単位で持つよりも、一棟単位の方が投資効率は上がります。
例えば、区分マンションで10部屋を保有するよりも、10部屋ある一棟マンションの方が、業務やコストを効率化できるのは、直感的に理解できるのではないでしょうか。
共用部の管理など、業務範囲は増えるものの、一棟マンション投資の方が効率的な資産形成がしやすいといえます。資金調達などのハードルはあるものの、まとまった資産を築きたい人は、一棟マンションの方がおすすめです。
土地を所有できる
一棟マンション投資の最大のメリットが、土地も所有できる点です。
建物の価格は年数の経過とともに減少していきますが、土地の価格は年数が経過しても建物のように経年劣化による下落はありません。
土地には普遍の価値があります。そのため周辺の地価が上昇した場合には、購入時よりも高値で売却できる可能性も高まるでしょう。
区分マンションでも土地を区分所有はできますが、自分の意思で土地の売却や建て替えはできないため、自由度はかなり低いです。
一棟マンションであれば、マンションの敷地すべてを所有している分、自由にできる範囲が広い点は大きなメリットです。
空室リスクを分散できる
一棟マンションは空室のリスクを分散できます。
なぜなら、すべての部屋が空室になる可能性は低く、空室が発生しても一定の家賃収入が見込めるからです。区分マンションの場合には、所有している部屋が空室になると家賃収入が0円になってしまいます。
そのため、複数の部屋を一度に所有できる一棟マンションのほうが、空室リスクには強くなっています。
資産価値が高めやすい
一棟マンションは資産価値を維持するためのさまざまな施策を行えます。
たとえば、耐震工事、外壁の塗装や、老朽化したときの建て替えなどで資産価値の維持が可能です。
一方、区分所有であればオーナーが講じられる改善策が限定的です。建物全体の資産価値が下がれば、部屋内での改善策を講じても、価値の下落は避けられません。
不動産経営の自由度が高まる
一棟マンションは、オーナーが市場の需要に合わせて自由に経営できるのもメリットです。
エントランス、外構、共用廊下などを含めて、マンション全体を自由にリフォームできるので、効果的な空室対策ができます。
区分マンションであれば、オーナーが自由にリフォームできるのは、部屋の中だけなので、建物全体のイメージや価値の向上は難しいでしょう。
区分所有よりも圧倒的に自由度が高く運営できるのは一棟買いのメリットです。
マンションの一棟買いの注意点
マンションを一棟買いするのであれば、次の点には注意しましょう。
・初期投資額が大きいので借入金額が増える
・災害時のリスクが大きい
・分マンションよりも売却しにくい
・一棟マンションは空室率上昇・賃料相場低下の影響を受けやすい
・長期の経営計画を立てておく
5つの注意点について詳しく解説していきます。
初期投資額が大きいので借入金額が増える
一棟マンションはエリアによって数億円程度かかります。ほとんどの人は借入金を利用し、その額が1億円を超えるケースも珍しくありません。
もしも返済できない場合には、財産の差し押さえなどの法的ペナルティが発生してしまいます。
災害時のリスクが大きい
一棟マンションは災害時のリスクが大きくなります。
例えば、地震などの災害で一棟マンションが被災したら、全部屋の家賃収入が途絶える可能性があるでしょう。
一方、区分マンションを複数持っていてエリア分散されているケースでは、所有物件のどれかが被災しても、他の物件で一定の家賃収入は確保できます。すべての資金を一棟マンションに一括投資するのではなく、複数の区分マンションに分散するのもリスク対策として効果的です。
区分マンションよりも売却しにくい
一棟マンションは区分マンションよりも流動性が低く、売却しにくいと言われています。
一棟マンションの売買価格は高いので購入できる人が限られるためです。
区分マンションであれば売買価格は一棟マンションよりも安いため、買い手が見つかりやすい傾向にあります。
一棟マンションはいざお金が必要なときや、不動産を手放したいときもすぐに売却できない点に注意しましょう。
一棟マンションは空室率上昇・賃料相場低下の影響を受けやすい
一棟マンションは、空室率上昇や賃料相場下落の影響を受けやすい点にも注意しましょう。
建物が古くなれば、建物全体で空室が増えていくため、家賃収入は大きく低下します。
一方、区分マンションを複数所有していれば、異なる立地に所在するマンションであれば、すべての物件が空室になる可能性は低いです。
また、一棟マンションは周辺の賃料相場が下落すれば、建物の部屋すべての賃料が下落するため、相場の影響を受けやすくなります。一棟マンションは周辺の相場も勘案しながら投資物件を慎重に選定しましょう。
長期の経営計画を立てておく
一棟マンションは外壁屋根塗装や原状回復費用などの固定費が区分マンションよりもかなり多くなります。
修繕や原状回復の際に多額のお金が必要になるので、長期の経営計画を立てておくことがとても大切です。
マンション投資の当初より、いつどのような修繕を行い、そのためにはいつまでにいくらの費用を用意すべきなのかの計画を立てて、必要な資金を計画的に積み立てていきましょう。
まとめ:一棟買いが難しければ区分マンションも検討してみよう
一棟マンションは高額になるので、新築マンションであれば数億円、中古マンションでも1億〜3億円程度必要です。
一棟マンション投資に必要なお金は融資を受けるのが一般的ですが、フルローンは審査が厳しくリスクも大きいので、必要総額の1〜3割程度の頭金を用意した上で投資を検討するのがおすすめです。
一棟マンション投資では、地方の築古物件などを選ばない限り、最低でも1億円前後からのスタートになります。もし、金額が大きいと感じるのであれば、まずは区分マンションから始めるのも一つの手です。
J.P.RETURNSでは、プロのコンサルタントがお客様の要望を丁寧にヒアリングし、それに合う物件をご紹介できます。投資方針を一緒に考えていく方法もありますので、お気軽に相談ください。
無料相談をする