マンション一棟買いでいくら必要?メリット・デメリットも解説

マンション投資に節税効果はある?節税の仕組みとリスクを解説

公開日:2023.12.01

最終更新日:2024.01.04

監修者:室田雄飛

執筆者:染谷 重幸

マンション投資に節税効果はある?節税の仕組みとリスクを解説

不動産投資の方法として「マンションの一棟買いをしたいけど資金調達が不安」「いくらかかるのだろう」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

一棟買いできるほどの資金調達をするためには、いくつかのハードルを超える必要があります。とはいえ、うまくいけば収入の増加につながるなど、多数のメリットがあるのです。

そこで今回は、マンション一棟買いにいくらかかるのかを中心に、メリット・デメリットなどを解説していきます。

マンション一棟買いを検討している方はぜひご覧ください。

関連記事:不動産投資はいくらから始められる?自己資金別に購入できる不動産などを解説

マンションやアパートを一棟買いするといくら必要?

マンションやアパートを一棟買いするために必要な資金は、新築マンション・中古マンションによってそれぞれ異なります。

まずはそれぞれの費用相場を解説していきます。

新築一棟マンションの建築費用相場

新築一棟マンションを建築するのにいくら必要になるのかについては、国土交通省がまとめている、「建築着工統計調査」から把握できます。

構造 床面積の合計 建築費用 坪単価
木造 44,509,508㎡ 787,365,029円 約58万円
鉄骨造 8,963,968㎡ 242,947,017円 約89万円
鉄筋コンクリート造 12,466,701㎡ 345,203,608円 約91万円

引用:統計で見る日本|建築着工統計調査 建築物着工統計

1LDKが20室のマンションを建築する場合、必要な面積の合計は160坪ほどとなるため、費用は次のようになります。

● 木造:9,280万円
● 鉄骨造:1億4,240万円
● 鉄筋コンクリート造:1億4,560万円

なお、上記の建築価格相場は2022年当時のものです。

現在はさらに建築価格が高騰しているため、上記よりも2〜3割程度高い価格になる可能性があるでしょう。

中古一棟マンションの費用相場

中古一棟マンションの費用相場は、面積や地域によって異なります。

首都圏であれば上記よりもさらに高くなり、地方であれば1億円前後で購入できるマンションも多数あります。

また築年数が古くなれば、数千万円程度で購入できる一棟マンションも存在します。

中古マンションは「いくら用意できるのか」によって自分に合った物件を選択するのがベストです。

 

マンションの一棟買いに必要な自己資金はいくら?

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マンションを一棟買いするために必要な自己資金は1〜3割程度だと言われています。

現在はマンション投資に対するローン審査が厳しくなっており、フルローンにはリスクがあります。そのため、一定程度の自己資金は用意しておかなければなりません。

ここでは、マンションの一棟買いに必要な自己資金の考え方について詳しく解説していきます。

目安は物件価格の1〜3割

マンションを一棟買いする場合の自己資金の目安は、1〜3割程度と言われています。

自己資金なしのフルローンは審査が厳しくなり、リスクも高すぎるためです。

自己資金が3割程度用意されているのであれば、銀行は「資金計画ができている」と判断します。その結果、審査に通過しやすくなり、返済にも余裕が生まれます。

最低でも1割、できれば3割程度の自己資金を用意しておいたほうが審査に通過しやすいでしょう。

借入希望額の目安は年収の7倍程度

借入希望額は年収の7倍程度が目安だと理解しておきましょう。

アパートローンの返済原資は家賃収入であるため、以前は収入の低い会社員や年金生活の方でも数億円規模の融資を受けられました。

しかし、アパートローン融資に関連したトラブルが多くなっているため、現在はアパートローンの審査が厳しくなっています。

借入限度額は年収の7倍で、たとえば年収1,000万円の方であれば借入額の限度は7,000万円程度と理解しておきましょう。

フルローンで一棟マンションを買うリスク

ある程度の年収があれば、フルローンで一棟マンションを購入することも可能です。

しかし、フルローンで一棟マンションを購入し、手元に資金がないと次のようなリスクがあります。

● 翌年の税金が支払えない
● 追加の工事や設備が必要になったときの現金がない

フルローンで一棟買いすると、上記のような不測の事態が起きただけですぐに資金ショートになる可能性があります。

また、返済計画にも余裕がないため、空室の増加、キャッシュフローの赤字といった事態に陥ることも考えられます。

フルローンはリスクが大きいので、1〜3割程度の自己資金を用意した上でマンションの一棟買いを検討するのが無難です。

 

マンションの一棟買いがおすすめの理由5つ

マンションは区分所有よりも一棟買いのほうがおすすめだと言われます。主な理由は次の5点です。

● 一棟所有するほうが効率が良くなる
● 土地を所有できる
● 空室リスクを分散できる
● 資産価値が高まる
● 不動産経営の自由度が高まる

5つのメリットについて詳しく解説していきます。

一棟所有するほうが効率が良くなる

マンションは区分所有するよりも、一棟丸々所有するほうが投資効率がよくなります。

区分所有のマンションを20戸所有するよりも、20戸のマンションを一棟所有したほうが購入価格は安いためです。

区分マンションは最初から売却する目的で価格が設定されているため、市場価格で取引しなければなりません。しかし、区分マンションは原価で購入できるため、一棟マンションのほうが、1戸あたりの価格が安価になり、効率的な投資ができます。

土地を所有できる

一棟マンション投資の最大のメリットが、土地を所有できる点です。

建物の価格は年数の経過とともに減少していきますが、土地の価格は年数が経過しても建物のように経年劣化による下落はありません。

土地には普遍の価値があります。

そのため周辺の地価が上昇した場合には、購入時よりも高値で売却できる可能性もあるでしょう。

区分マンションでも土地を区分所有はできますが、自分の意思で土地をすべて売却することや建て替えることはできません。

一棟マンションであれば、マンションの敷地すべてを自分の自由にできる点は大きなメリットです。

空室リスクを分散できる

一棟マンションは空室のリスクを分散できます。

すべての部屋が空室になる可能性は非常に低く、空室が発生しても一定のキャッシュインが見込めるためです。

区分マンションの場合には、所有している部屋が空室になると家賃収入が0円になってしまう可能性もあります。

複数の部屋を一度に所有できる一棟マンションのほうが、空室リスクには強くなっています。

資産価値が高まる

一棟マンションは資産価値を維持するためのさまざまな施策を行えます。

たとえば、耐震強度をアップしたり、外壁の塗装や、老朽化したときの建て替えなどで資産価値を維持できます。

区分所有であればオーナーができることに限りがあるため、建物全体の資産価値が下落すれば部屋の価値も下落します。一方、一棟マンションであれば建物全体で資産価値を維持することが可能です。

不動産経営の自由度が高まる

一棟マンションは、オーナーが市場の需要に合わせて自由に経営できるのもメリットです。

エントランス、外構、共用廊下などを含めて、マンション全体を自由にリフォームできるので、効果的な空室対策ができます。

区分マンションであれば、オーナーが自由にリフォームできるのは、部屋の中だけですので、建物全体のイメージや価値を向上させることは不可能です。

区分所有よりも圧倒的に自由に経営できるのは一棟買いのメリットです。

 

マンションの一棟買いの注意点

マンションを一棟買いするのであれば、次の点には注意しましょう。

● 初期投資額が大きいので借入金額も大きい
● 災害時のリスクが大きい
● 区分マンションよりも売却しにくい
● 一棟マンションは空室率上昇・賃料相場低下の影響を受けやすい
● 長期の経営計画を立てておく

5つの注意点について詳しく解説していきます。

初期投資額が大きいので借入金額も大きい

一棟マンションは数億円程度の初期投資が必要になります。

全額自己資金で用意できれば問題ありませんが、ほとんどの人は借入金を利用し、その額は1億円を超えることも珍しくありません。

もしも返済できない場合には、財産の差し押さえなどの法的ペナルティが発生するほどの高額な借入をしなければならないのはデメリットです。

災害時のリスクが大きい

一棟マンションは災害時のリスクが区分投資よりも大きくなります。

地震などの災害で一棟マンションが被災したら、部屋のすべての家賃収入が入らなくなる可能性があるためです。

区分マンションであれば、所有物件のどれかが被災しても、他の物件で一定の家賃収入は確保できる可能性があります。

一棟マンションは被災すると家賃収入のすべてを失うリスクがあると認識しておきましょう。

区分マンションよりも売却しにくい

一棟マンションは区分マンションよりも流動性が低く、売却しにくいと言われています。

一棟マンションの売買価格は高いので購入できる人が限られるためです。

区分マンションであれば売買価格は一棟マンションよりもはるかに安いため、買い手が見つかりやすい傾向にあります。

一棟マンションはいざお金が必要なときや、不動産を手放したいときも簡単には売却できない点に注意しましょう。

一棟マンションは空室率上昇・賃料相場低下の影響を受けやすい

一棟マンションは、空室率上昇や賃料相場下落の影響を受けやすい点にも注意しましょう。

建物が古くなれば、建物全体で空室が増えていくため、家賃収入は大きく低下します。

一方、区分マンションを複数所有していれば、異なる立地に所在するマンションであれば、すべての物件が空室になる可能性は非常に低いと言えます。

また、一棟マンションは周辺の賃料相場が下落すれば、建物の部屋すべての賃料が下落するため、相場の影響を受けやすくなります。一棟マンションは周辺の相場も勘案しながら投資物件を慎重に選定しましょう。

長期の経営計画を立てておく

一棟マンションは外壁屋根塗装や原状回復費用などの固定費が区分マンションよりもかなり多くなります。

修繕や原状回復の際に多額のお金が必要になるので、長期の経営計画を立てておくことがとても大切です。

マンション投資の当初より、いつどのような修繕を行い、そのためにはいつまでにいくらの費用を用意すべきなのかの計画を立てて、必要な資金を計画的に積み立てていきましょう。

 

一棟買いマンションを収益化させる3つのポイント

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一棟買いのマンションを収益化させるためには次の3つの点を押さえておきましょう。

● 借入可能額から物件を探す
● 家賃収入ー毎月ローン返済額で収益が出るかを計算する
● 維持費も加味した資金繰り表を作成する

マンション収益化のために重要なポイントを詳しく解説します。

借入可能額から物件を探す

「自分の年収からいくら借りられるのか」という借入可能額から投資する物件を選定してください。

借入可能額は年収の7倍程度が目安ですので、選定する物件の価格は次の計算式で算出します。

年収×7+用意できる頭金

年収が700万円で頭金として1,000万円用意できるのであれば、700万円×7+1,000万円=5,900万円です。

「どの物件が欲しい」という観点から物件を探すと、身の丈に合わない物件を選択せざるを得なくなり、ローンの返済に苦しむ可能性があります。

無理のない返済計画になるよう、借入可能額から購入できる物件価格を算出した上で物件を探しましょう。

家賃収入ー毎月ローン返済額で収益が出るかを計算する

物件を探す際には利回りばかり確認するのではなく、キャッシュフローが黒字になるかでも判断してください。

利回りで計算すると、借入元金の返済が考慮されないためです。

実質利回り=(年間の家賃収入-年間の諸経費)÷(物件の購入価格+購入時の諸経費)×100

年間の諸経費の中には、借入金の利息は含まれますが、借入金の元金返済分は含まれません。

つまり、どんなに利回りが大きくても、借入金の返済額が家賃収入を上回っていたらキャッシュフローは赤字になります。

利回りだけでなく、キャッシュフローがプラスになるかどうかも必ず確認してください。

維持費も加味した資金繰り表を作成する

一棟マンション投資は維持費も膨大です。

以下のような費用を加味した上で、資金繰りがプラスになるのかマイナスになるのかを把握しておく必要があります。

● 毎月の家賃収入
● 借入金返済
● 管理費
● 光熱費
● 外構費
● 修繕費
● 固定資産税
● 大規模修繕のための積立金

一棟マンションは支出も大きいので、前もって、いつまでにいくらのお金が必要なのかをしっかりと把握しておくことが重要です。

 

まとめ

一棟マンションは高額になるので、新築マンションであれば数億円、中古マンションでも1億〜3億円程度必要です。

一棟マンション投資に必要なお金は融資を受けるのが一般的ですが、フルローンは審査が厳しくリスクも大きいので、必要総額の1〜3割程度の頭金を用意した上で投資を検討するのがおすすめです。

また、借入可能額は年収の7倍程度と認識し、ご自身の収入から考えて無理のない価格の物件を選択しましょう。

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室田 雄飛

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室田 雄飛

J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長

J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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この記事を書いた人

染谷 重幸

この記事を書いた人

染谷 重幸

大学在学中に家庭教師のアルバイトをきっかけにデイトレーダーへ転身。24歳で資産運用法人を設立する。25歳から大手投資用マンションディベロッパーと業務提携後、およそ6年間にわたり資産運用アドバイザーとして活躍。その後、大手不動産仕入れ会社で販売統括責任者として従来の投資用物件の流通システムを革新するプロジェクトを立ち上げる。国内最大規模の投資イベント「資産運用EXPO」で登壇実績があり、同業他社からも多くの見学者が立ち見の列を作った。2020年にJ.P.RETURNSに参画。オンラインでの商談やWEBセミナーを導入し、コロナ禍でも年間300件以上の顧客相談を担当している。

資格

宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)

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