年収1100万円の税金対策!手取りを増やす効果的な節税方法

公開日:2025.08.17

最終更新日:2025.08.17

監修者:室田雄飛

執筆者:染谷 重幸

「年収1100万円なら十分に余裕があるはず」と思われがちですが、実際には高所得層特有の税負担により、手取りは想像以上に少ないのが現実です。所得税・住民税・社会保険料といった各種負担は、年収が増加するにつれて負担率が上がり、特に年収1000万円台前半の方は特に重荷に感じるのではないでしょうか。

節税対策を講じないと、税金などの負担だけが上がり、収入は増えたけど、結局手取りはほとんど変わらないという事態に陥る可能性があります。「税金を避けられないもの」ではなく、「計画的に軽減できるもの」という意識に切り替えられると、手取り増に伴い、将来の資産形成にプラスとなるでしょう。

特に年収1100万円の方は、節税対策により年間数十万円から百万円単位の資金を無理なく手元に残すことが可能なのです。

本記事では、そんな年収1100万円の方向けに、効果的な税金対策を段階別に解説していきます。新NISA、ふるさと納税などの基礎的な制度から、不動産投資による本格的な節税手法まで詳しくご紹介します。

中でも特筆すべきは不動産投資を活用した税金対策です。給与所得と損益通算可能な赤字、建物の減価償却などを上手に活用すれば、合法的に所得を圧縮し、税負担を軽減できるのです。

年収1100万円のステージに達すると、「守り」の節税対策と「攻め」の資産運用を同時に進行するのが大切になるでしょう。

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年収1100万円の税金と手取りは?税負担の現実を知る

年収1100万円という収入水準は、一般的に「高収入」のカテゴリーに含まれるものの、税などの負担により手取り金額は額面と比べて大きく減少してしまいます。なぜなら、日本の税制は「累進課税制度」を採用しており、所得が増えるほど税率も段階的に上昇する構造になっているからです。この章では、年収1100万円の具体的な税負担額と手取り額を詳しく分析し、税金対策の必要性を説明していきます。

所得税・住民税の計算方法と具体的な税額シミュレーション

家族構成などによっても異なるものの、年収1100万円の場合の所得税は約105万円です。これに住民税約75万円が加わり、あわせて約180万円前後の負担となります。月額に換算すると、約15万円となり、高所得世帯といえどもなかなか大きな負担と感じるのではないでしょうか。

社会保険料の負担額

税金に加えて、社会保険料の負担も大きく約130万円にものぼります。内訳は厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料等があり、月額に換算すると10万円を超えます。

この社会保険料は給与から天引きされるため、所得税と同様に手取り額に直接影響するのです。賞与からも社会保険料が徴収されるため、年間を通じて重くのしかかります。

年収1100万円の手取り額の現実と課題

所得税・住民税約180万円、社会保険料約130万円を合わせると、手取りは800万円を割り込んでしまいます。ボーナスを考慮せずに割り返すと、月の手取りは66万円まで減ってしまうのです。

もちろん、月の手取り66万円も相当な金額ではあるものの、年収1100万円という響きから想像される豊かさと比較すると、かなり控えめに感じられるのではないでしょうか。特に都市部での生活を考えると、住宅ローンの返済、子どもの教育費、老後資金の準備などを考慮すると、決して余裕があるとはいえない状況です。

例えば、都心部で住宅ローンの月額返済が20万円、子ども2人の教育費に月額15万円、生活費に月額20万円を使用すると、それだけで月額55万円の支出となります。残りの手取りから貯蓄や投資にまわせる資金は限られており、思ったほどの資産形成ができないのが実情です。

さらに、年収が上がるにつれて生活水準も向上しがちで、支出も比例して増加する傾向があります。この現実を踏まえると、単純に収入を増やすだけでなく、いかに税負担を軽減するかという視点が重要になります。適切な節税対策により、手元に残る資金を増やし、より効率的な資産形成を目指していく必要があるのです。

なぜ年収1100万円は税金対策が必須なのか?

年収1100万円層が税金対策に真剣に取り組むべき理由は、単に税金を減らすためだけではありません。住んでいる場所にもよるものの、決して贅沢三昧ができるほどの余裕はないので、節税戦略を組み立てて、効率的に資産形成する必要があるでしょう。ここでは、なぜこの所得層において税金対策が必須なのか、要素を分解して説明していきます。

年収1000万円を超えると税率が上がるから

年収1100万円層が税金対策に真剣に取り組むべき最大の理由は、所得税の累進課税制度にあります。以下は、所得税の税率です。

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

引用:国税庁No.2260 所得税の税率

給与所得控除等により所得税率23%になるとはいえ、住民税とあわせて33%と決して軽視できない負担率となってきます。

この税率の上昇は段階的に起こるため、年収が増えれば増えるほど、追加で得た収入に対する税負担割合が重くなっていきます。つまり、昇進や昇給により年収が上がっても、手取りの増加幅は思ったほど大きくなりません。これは「税率の壁」と呼ばれる現象で、高所得者が直面する深刻な問題です。

例えば、年収1100万円の人が100万円昇給したとしても、その100万円に対し40%近い税金がかかるため、実際の手取り増加は60万円程度にとどまります。さらに社会保険料も考慮すると、実質的な手取り増加は50万円程度になる可能性もあるでしょう。

このような状況では、収入を増やす努力と同じかそれ以上に、税金対策による節税効果の重要性が明確になります。

手元資金を増やし、資産運用に回すため

年収1100万円の方にとって、税金対策は手元の資金を増やし、将来の資産形成を加速させるために大事です。節税により確保した資金を投資に回すことで、資産拡大スピードを向上させられます。特に高い税率が適用される高所得者ほど、税金対策による効果は大きくなります。

高所得層にとって大切なのは、ただ現金を蓄えるのではなく、税金をコントロールしながら資産を育てる意識です。そのために節税で得た資金の活用方法が重要になります。例えば、年間60万円の節税効果があれば、それを年利5%で20年間運用すると、複利効果により2,000万円超の資産となります。(元本は1,200万円)

節税により確保した資金を新NISAなどの税制優遇制度と組み合わせると、より効果的です。

また、不動産投資などの収益性の高い投資にまとまった資金を投入すると、家賃収入という継続的なキャッシュフローの確保も狙えます。このように、節税により確保した資金を効果的に運用することで、資産が増えていく好循環を作り出せます。

将来のライフプランに備えるため

年収1100万円層の多くは、住宅購入や子育てなど、将来的に大きな支出が予想される世代です。これらのライフイベントに備えるためには、現在の手取り額を最大化し、計画的な資金準備を進めなければなりません。特に都市部に住む高所得者の場合、生活コストも高くなりがちで、想像以上に資金が必要になることが多いのです。

住宅購入については、年収1100万円層が選択する物件は都市部の利便性の高いエリアを選ぶ傾向にあり、8,000万円から1億円程度の価格帯になることも珍しくありません。頭金だけでも数百万円以上必要になるケースもあり、資金準備が必須です。

子どもの教育費については、私立小学校・中学・高校、大学進学などを考慮すると、一人当たり2,000万円以上の費用になるでしょう。2人の子どもがいれば約4,000万円という莫大な費用になります。これらは一時的な支出ではなく、15年から20年にわたって継続的に発生する費用です。

税金対策により年間数十万円の効果を継続的に得られれば、支出のダメージをおさえられるでしょう。例えば、年間60万円の節税効果を10年間継続すれば600万円となり、資産運用にまわせれば、十分な資金確保につながります。将来の安心を確保するためにも、早い段階からの税金対策が欠かせないのです。

年収1100万円の会社員におすすめの節税対策

年収1100万円の会社員が活用できる節税対策は多岐にわたります。基本的な制度から高度な手法まで、段階的に取り組むことで大きな節税効果を実現できるでしょう。ここでは、すぐに実践可能な身近な節税方法から、長期的な資産形成にも寄与する手法まで、体系的に解説していきます。重要なのは複数の対策を組み合わせて、総合的な節税効果を最大化することです。

ふるさと納税で寄付と返礼品を楽しむ

年収1100万円の方の場合、るさと納税の限度額は約18万円程度となります(家族構成により変動します)。実質2000円の負担で寄付ができ、返礼品として食品や日用品を受け取れるため、家計費の節約にもつながるでしょう。

返礼品の還元率を30%と想定すると、約6万円相当の商品を実質2000円で入手できる計算になります。米や肉類、調味料、冷凍食品などの日常的に消費する食材を中心に選択すれば、年間の食費削減が可能です。

ただし、年収1100万円の方でも住宅ローン控除などの控除があると、ふるさと納税の限度額が減少する可能性もあるので、シミュレーターで計算してみましょう。

新NISAを活用した資産形成と節税

新NISAは、年間360万円まで投資可能で、運用益が非課税となります。生涯投資枠1800万円を活用し、長期運用すれば数百万円以上の税制メリットを享受できるでしょう。年収1100万円の方なら、5~10年の間に生涯投資枠を満額活用することも現実的です。

つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)を組み合わせると、リスク分散を図りながら資産形成ができます。特に成長投資枠では個別株式にも投資できるため、より積極的な運用戦略を取るのも可能です。節税効果と資産形成を同時に実現できる優れた制度といえるでしょう。

住宅ローン控除

住宅ローン控除は、住宅ローンの年末残高の0.7%を10年間(または13年間)にわたって税額控除できる制度です。年収1100万円の方でも適用可能で、借入限度額や住宅の種類に応じて、最大で年間35万円の控除を受けられます。これは所得控除ではなく税額控除のため、直接的に税金を減らせる非常に有効な制度です。

購入する物件区分によっても金額や期間が変動します。詳しくは以下の表を確認してみてください。

住宅の区分 居住の用に供した年 控除期間 各年の控除額の計算(控除限度額)
認定住宅等 認定長期優良住宅
認定低炭素住宅
令和4年・令和5年 13年 年末残高等×0.7%(35万円)
令和6年 13年 年末残高等×0.7%(31.5万円)(注1)
令和7年 13年 年末残高等×0.7%(31.5万円)
ZEH水準省エネ住宅 令和4年・令和5年 13年 年末残高等×0.7%(31.5万円)
令和6年 13年 年末残高等×0.7%(24.5万円)(注2)
令和7年 13年 年末残高等×0.7%(24.5万円)
省エネ基準適合住宅 令和4年・令和5年 13年 年末残高等×0.7%(28万円)
令和6年 13年 年末残高等×0.7%(21万円)(注3)
令和7年 13年 年末残高等×0.7%(21万円)
その他の住宅 令和4年・令和5年 13年 年末残高等×0.7%(21万円)
令和6年・令和7年 0年
(注4)
年末残高等×0.7%(0万円)(注4)

引用:国税庁|住宅借入金等特別控除の控除期間および控除額の計算方法

不動産投資

不動産投資は年収1100万円の方にとって最も効果的な節税対策の一つです。減価償却費や借入金利息などにより不動産所得の赤字を作り出し、給与所得と損益通算することで大幅な所得圧縮が実現できます。この手法は他の節税対策とは規模が異なり、年間百万円単位での節税効果も期待できる強力な手段です。

不動産投資における節税の仕組みは、建物の減価償却費が鍵となります。例えば、築15年の中古マンションを4000万円で購入すると(土地2000万円、建物2000万円)、建物部分を法定耐用年数で割った金額を毎年経費として計上できます。鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年ですが、中古の場合は残存耐用年数での計算となるため、より大きな減価償却費を計上可能です。

この物件では年間約80万円の減価償却費に加え、借入金利息、管理費、修繕積立金、固定資産税などの実際の支出を合わせると、年間150万円程度の赤字計上も現実的な水準といえます。この赤字により約60万円の節税効果(限界税率40%で計算)を得られ、実質的な投資収益率を向上できるのです。

さらに、不動産投資には節税効果だけでなく、長期的な家賃収入と資産形成という側面もあります。初期の赤字による節税期間を経た後は、安定した収益物件として長期的なキャッシュフローを生み出し、相続税対策としても有効な資産戦略となります。年収1100万円の方であれば、銀行融資も受けやすく、レバレッジを効かせた投資も可能です。

年収1100万円の税金対策に不動産投資が最適な理由

年収1100万円の高所得者にとって、不動産投資は最も効果的な節税手段の一つです。その理由は、不動産投資特有の税務上の仕組みが、高い税率を適用される高所得者に対して絶大な効果を発揮するからに他なりません。特に「損益通算」と「減価償却」という二つのメカニズムは、年収1100万円層にとって有利に働きます。この章では、なぜ不動産投資が高所得者の税金対策として最適なのか、具体的な仕組みと効果について詳しく解説していきます。

不動産所得の赤字と給与所得の損益通算

不動産投資における最大の節税メリットは、不動産所得で発生した赤字を給与所得と損益通算できることです。これにより、給与所得から不動産の赤字分を差し引いて課税所得を計算できるため、所得圧縮が可能になります。この制度は、給与所得しかない会社員にとって貴重かつ有効的な節税手段となります。

損益通算の具体的な仕組みを見てみましょう。例えば、課税所得850万円の方が年間100万円の不動産所得の赤字を計上した場合、課税所得が850万円から750万になります。所得税と住民税をあわせて33%なので、単純計算では、100万×33%の33万円の節税効果です。赤字の金額が増えれば、さらに節税額は増やせます。

この損益通算は毎年継続して活用できるため、複数年にわたって安定した節税効果を享受できます。さらに、複数物件の所有によって赤字額を拡大し、より節税効果を得ることも可能です。

重要なポイントは、この赤字が「帳簿上の赤字」であることです。実際のキャッシュフローでは黒字になっていても、減価償却費などの現金支出を伴わない経費により帳簿上は赤字となるケースを作り出せるので、これが不動産投資の大きな魅力となっています。つまり、実際にはお金が手元に入ってきているにもかかわらず、税務上は赤字として扱われるという理想的な状況を作り出せるのです。

減価償却費を活用した計画的な所得圧縮

減価償却費は不動産投資の節税効果において中核となる要素です。建物部分について、法定耐用年数にわたって毎年一定額を経費として計上できるため、実際の現金支出を伴わずに所得を圧縮できます。これは他の投資商品にはない不動産投資独特の特徴であり、高所得者にとって極めて有利な制度です。

建物の法定耐用年数は構造により異なります。木造22年、軽量鉄骨造19年~27年、鉄筋コンクリート造47年となっており、中古物件の場合はさらに短縮された耐用年数で計算可能です。この減価償却費に加え、借入金の利息や管理費、修繕費、固定資産税などの実際の経費を加えると、それなりの金額に達します。

さらに、設備部分(エアコン、給湯器など)については建物本体とは別に、より短い耐用年数で償却可能です。設備の耐用年数は6年~15年程度のため、購入初年度により大きな減価償却費を計上できるでしょう。

高所得者ほど税率が高く、損益通算のメリットが大きい

年収1100万円層の限界税率は所得税と住民税の負担だけでも33%にも達するので、赤字による損益通算の効果は大きくなります。同じ赤字額でも他の年収の人と比較すると、差は歴然です。この税率格差により、高所得者ほど不動産投資による節税メリットを最大限に活用できます。

具体的な比較をしてみましょう。年収1100万円の方が100万円の不動産赤字を計上すると節税効果は33万円ですが、年300万円の方だと20万円程度の節税効果に留まります。

また、所得税の累進課税制度により、年収がさらに増加すると、税率もそれに応じて上昇するため、不動産投資による節税効果もより一層大きくなります。年収が1500万円、2000万円となると税率が増えるものの、不動産投資によって効果的な対策ができるでしょう。

不動産投資の節税以外のメリット:資産形成と将来への備え

年収1100万円の方にとって、不動産投資は長期的な資産形成と将来への備えという観点から、多面的なメリットを提供する優れた投資手法なのです。特に高所得者にとって、安定したキャッシュフローの確保と資産分散は、将来の経済的安定性を高める要素となります。この章では、不動産投資が持つ節税以外の魅力について、7つの重要なメリットを詳しく解説していきます。

安定した家賃収入による副収入の確保

不動産投資の魅力として、毎月の家賃収入という安定したキャッシュフローがあげられます。年収1100万円の方にとって、給与以外の収入源を持つことは、経済的リスクの分散という意味で重要な意味を持ちます。給与所得は勤務先の業績や経済情勢に左右されやすいため、複数の収入源を確保することで経済的安定性を高められるのです。

一般的な賃貸物件では、入居者が決定すれば長期間にわたって継続的な収入を期待できるでしょう。例えば、月額家賃12万円の物件を2戸所有していれば、年間288万円の家賃収入となります(ローン返済等を除く)。これは給与所得とは異なる性質の収入であり、ポートフォリオ全体の安定性を向上させる効果があります。

家賃収入は株式配当や預金利息と異なり、市場の短期的変動に左右されにくい特徴があります。住居に対する需要は社会情勢に関係なく安定的に存在するため、長期的な収益の予測が立てやすいのです。特に都市部の駅近物件であれば、入居者の入れ替わりがあっても比較的短期間で次の入居者が見つかる傾向にあります。

手間をかけずに資産拡大できる

不動産投資は、適切な管理会社を選択すれば、日常的な管理業務をほぼ委託できるため、本業に支障をきたすことなく資産運用を行えます。年収1100万円の方の多くは多忙な職種に従事しているため、この「手間の少なさ」は大きなメリットです。

管理会社に委託できる業務は多岐にわたります。入居者募集、入居審査、賃貸借契約の締結、家賃回収、建物メンテナンス、退去時の原状回復、近隣対応など、煩雑な管理業務をプロに任せられます。オーナーは月次の収支報告書をチェックし、あとはトラブルさえなければ特に業務は発生しません。

管理会社の手数料は家賃収入の5%前後が一般的ですが、この費用は経費として計上できます。また、プロの管理により入居率の向上や適切なメンテナンスが行われるため、長期的には手数料以上の価値を期待できるでしょう。

複数物件を段階的に取得することで、管理の効率化とリスク分散を同時に実現できます。最初の物件での経験とキャッシュフローを元に、より大きな規模での投資へと展開していけるでしょう。年収1100万円の属性があれば、金融機関からの融資も受けやすく、段階的な規模拡大が行えます。

インフレリスクに対する実物資産としての強さ

不動産は実物資産としてインフレヘッジ効果を持つため、将来のインフレリスクに対する有効な対策となります。現金や預金は物価上昇により実質的な価値が目減りしますが、不動産は一般的にインフレに連動して価値が上昇する傾向があります。年収1100万円層は一定額の資産を保有している方も多く、インフレによる資産価値の目減りは対策が必須です。

歴史的に見ると、不動産価格と家賃は長期的にインフレ率に連動して上昇してきました。特に都市部の優良立地物件は、人口集中や経済成長に伴い、インフレ率を上回る価格上昇を示すケースも見られます。特にここ最近の東京都心部のマンション価格は、珍しく都心の中心エリアでは短期的に2倍以上になる物件もありました。

家賃についても、物価上昇にあわせて段階的に改定されるため、収益性の維持が期待できるでしょう。契約更新時には市場家賃との比較により適正な家賃設定が行われるため、インフレが進行すれば家賃収入も自然に増加していきます。これにより、実質的な収益率の低下を防げます。

現在の日本では長期にわたってデフレが続いてきましたが、世界的な傾向や日本銀行の金融政策の変化により、今後はインフレリスクが高まる可能性もあるでしょう。不動産投資により実物資産の比重を高めることで、資産全体のバランスを改善し、インフレリスクから資産を守れるのです。

団体信用生命保険による生命保険効果

不動産投資ローンを利用する際に加入する団体信用生命保険(団信)により、万が一の際の生命保険効果も得られます。ローン契約者に不測の事態が発生した場合、残債が完済され、物件が家族に引き継がれる仕組みです。

例えば、5000万円の物件をフルローンで購入していると、万が一の際には5000万円相当の資産が残された家族にわたります。通常の生命保険と異なり、保険料は金利に含まれているケースが多く、実質的な追加負担なしで大きな保障を確保できます。これは5000万円の生命保険に加入しているのと同じ効果です。

残された家族は借入のない収益物件を相続できるため、継続的な家賃収入も確保できます。月10~15万円の家賃収入があれば、年間120~180万円の安定した収入源となり、家族の生活を支える重要な基盤となるでしょう。もちろん、リフォームや子どもの大学進学など、まとまった資金が必要な際には、売却して資金調達することも可能です。

最近では、がん・急性心筋梗塞・脳卒中といった三大疾病保障付きの団信も一般化しており、より包括的な保障を受けられるようになっています。さらに、八大疾病保障や就業不能保障付きの団信もあり、働けなくなった場合の保障も充実しています。高収入者ほど健康リスクに対する備えは重要であり、不動産投資の生命保険効果は大きなメリットに感じられるでしょう。

老後資金の経済的な不安の解消

年収1100万円の方でも、老後の生活資金については不安を抱えているケースが少なくありません。現在の年金制度では、現役時代の収入水準を維持することは困難とされており、特に高収入者の場合、年金だけでは生活水準の低下を余儀なくされる可能性が高まっています。不動産投資による家賃収入は、この老後資金問題の有力な解決策となるのです。

退職後も継続して得られる家賃収入は、年金に加えた安定収入として機能します。例えば、2戸の物件から月額30万円の家賃収入があれば年間360万円となり、老後の生活費の大きな支えとなるでしょう。さらに物件数が増えれば、比例して収入は増えていきます。

また、不動産価値の維持・向上により、将来的な売却時にまとまった資金を確保することもできます。老後の住み替えや介護費用の捻出など、さまざまな用途に活用できる資産として機能するのです。介護施設への入所費用は一時金で数百万円、月額で20万円以上かかるケースも多く、不動産という資産があると選択肢の一つとして数えられます。

さらに、家賃収入は「勤労に依存しない収入」であるため、体力的な衰えを気にすることなく継続して受け取れます。65歳で定年退職した後、85歳まで20年間にわたって月額30万円の家賃収入があれば、総額7,200万円の収入となり、老後の経済的不安を大幅に軽減できるでしょう。

レバレッジ効果の最大活用

不動産投資では銀行融資の活用で、レバレッジ効果を享受できます。年収1100万円という安定した収入と高い属性があれば、金融機関からの信用も高く、有利な条件での融資を受けやすい環境にあります。これにより、限られた自己資金で大きな投資効果を得ることが可能です。

例えば、自己資金100万円と借り入れで4000万円の物件を購入すれば、数字上は40倍のレバレッジを効かせた投資となります。物件価値が5%上昇すれば200万円の含み益が生まれ、自己資金に対する利回りは200%に達する計算です。

年収1100万円の属性であれば、金融機関によっては年収の10倍程度までの融資を受けられます。つまり、1億円程度の不動産投資が現実的な選択肢となります。これだけの規模の現金投資は困難ですが、融資の活用によって実現可能となるのです。不動産投資の実績を積むことによって、金融機関によってはそれ以上の融資を期待できるかもしれません。

レバレッジ効果により、複数の物件を段階的に取得することができます。最初の物件で得たキャッシュフローと資産価値の上昇を元に、さらに大きな物件への投資を行う「買い増し戦略」により、資産1億円、2億円といった規模も現実的な目標となります。ただし、レバレッジはマイナス方向へもレバレッジがかかるため、適切なリスク管理が大切です。

次の世代に資産を引き継ぐための相続税対策

不動産投資は相続税対策としても優れた効果を発揮します。現金で相続する場合は額面通りの評価となりますが、不動産は相続税評価額が時価を下回るため、相続税の軽減が可能です。年収1100万円層では、将来的に相続税の対象となる可能性があるため、早い段階からの対策が求められます。

さらに、賃貸物件は「貸家建付地」としてさらに評価減となり、建物の種類などの条件によっては、時価の半分程度が評価額となる場合もあるのです。

例えば、時価1億円のマンションの相続税評価額が半額になれば、現金として相続するときよりもはるかに相続税が少なくなるでしょう。資産額が増えれば増えるほど、不動産として相続する効果は大きくなります。

年収1100万円の不動産投資で失敗しないための注意点

年収1100万円の方が不動産投資で成功するためには、高い収入があることに油断せず、中長期的な計画と戦略的なアプローチが必要です。適切な知識と準備なしに始めてしまうと、せっかくの高収入でも大きな損失につながる可能性があります。不動産投資は他の投資と比較してリスクが低いとされることもありますが、高額な投資になるため、失敗した際の影響は大きいです。この章では、失敗を避けるためにおさえておくべき重要なポイントを詳しく解説していきます。

資金計画とローンの活用方法

年収1100万円の方は融資を受けやすい立場にありますが、だからといって過度な借入は禁物です。金融機関が融資可能と判断する金額と、実際に無理なく返済できる金額は必ずしも一致しないからです。安全な投資を行うためには、見込まれる収入も計算しながら、無理なく投資継続ができるかをシミュレーションしてください。

自己資金については、物件価格の1~2割程度を準備するのが理想的ではあるものの、より効率的に資産拡大するためには、借りられるだけ借りる方がいいでしょう。ただし、資産価値があり、中長期的に賃貸需要が見込まれるエリアにあるなど、物件は吟味する必要があります。また、金利上昇リスクも考慮し、現在の金利から1~2%上昇しても返済に支障がない範囲での借入に留めることも重要です。

加えて、運用後も突発的な修繕費などの費用がかかる可能性があるので、数百万円は予備費用として手元にあると安心です。それを加味したうえで、収支計画を立てましょう。自分一人で判断が難しい場合は、不動産投資会社に相談するなどして、中長期的なシミュレーションを立ててみるのがおすすめです。

物件選びの重要性

不動産投資の成功は物件選びに大きく左右されます。年収1100万円の方は選択肢が多く、高額な物件も買える分、慎重な検討が必要です。立地については、駅からの距離を考慮しましょう。駅徒歩10分以内、できれば5分以内の物件を選ぶと、長期的な賃貸需要を確保できます。また、周辺環境として商業施設、病院、学校などの利便施設が充実していて暮らしやすいかも判断基準となります。

将来の開発計画も確認が必要です。駅の改良工事、大型商業施設の建設、道路の拡幅工事など、エリアの利便性向上につながる計画があれば、資産価値の向上も期待できます。逆に、大規模な工場の撤退や学校の統廃合など、マイナス要因がないかも調査しておくべきです。

構造面では、RC造(鉄筋コンクリート造)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)など、耐久性が高く法定耐用年数の長い物件を選ぶことで、長期的な資産価値の維持が期待できます。これらの構造の物件は融資期間も長く取れるため、月々の返済負担を軽減できるメリットもあります。木造や軽量鉄骨造の物件は初期投資額が安い反面、耐久性や融資条件で不利になる可能性があるでしょう。

築年数については、利回りとの兼ね合いを見ながら判断する必要があります。築10年前後の物件であれば、価格と品質のバランスが良いことが多く、初めての投資には適しているといえるでしょう。

間取りや面積についても、ターゲットとなる入居者層にあわせて選択することが重要です。単身者向けであれば25~35㎡程度のコンパクトな間取り、ファミリー向けであれば60㎡超の2LDK以上が一般的です。そのエリアの人口構成や住宅需要を把握し、最も需要の高い間取りを選べば空室リスクを最小化できます。

空室リスク、金利変動リスクなどの対策

空室リスクを最小限に抑えるためには、賃貸需要の高いエリアでの物件選択が基本となります。人口が増加傾向にある地域、大学や大企業が多いエリア、交通の便が良い立地などを選ぶことで、継続的な賃貸需要を確保できるでしょう。複数の不動産会社に賃貸可能性を確認し、客観的な評価を得るのも大切です。

賃貸管理会社の選定も空室対策として重要です。入居者募集力の高い管理会社を選ぶことで、万が一空室が発生しても短期間で次の入居者を見つけられます。管理会社の実績、対応エリア、募集手法などを比較検討し、最も信頼できる会社を選びましょう。

また、サブリース契約や家賃保証サービスの活用も検討に値します。これらのサービスを利用すれば、空室期間中も一定の家賃を保証してもらえるため、安定したキャッシュフローを確保できます。ただし、これらのサービスには手数料がかかり、通常の運用よりも手残りが少なくなるため、収支への影響を十分に検討する必要があるでしょう。

金利変動リスクについては、固定金利期間のある商品を選択したり、繰り上げ返済資金を準備したりすることで対策できます。変動金利を選択する場合でも、金利が上昇した際の返済額増加をシミュレーションし、対応可能な範囲内で投資を行うのが大切です。例えば、現在の金利より1~2%の場合にどれくらいの返済額になるかまで検証しておくと安心です。

年収1100万円の属性があれば、金利が上昇した際に借り換えを行うことも選択肢として考えられます。複数の金融機関との関係を築いておき、より有利な条件での借り換えができるよう準備しておくのも有効な対策です。

信頼できる不動産投資会社の選び方

年収1100万円の方は多くの不動産会社からアプローチを受ける可能性がありますが、パートナー選びは慎重に行う必要があります。まず、会社の実績と信頼性を確認しましょう。設立年数、取引実績、財務状況、などを調査し、長期的に付き合える会社かどうかを見極めるのが大事です。

また、不動産投資に特化した専門性があるかも大切です。賃貸管理、物件選定、融資サポート、税務相談など、総合的なサービスを提供できる会社を選ぶことで、投資後のサポートも安心して任せられます。

営業担当者の知識レベルと提案内容も重要な判断材料となります。不動産投資に関する豊富な知識を持ち、税務や法律についても理解している担当者を選びましょう。顧客の状況に応じた適切な提案ができるか、デメリットやリスクについても正直に説明してくれるかを見極めるのが大切です。

実績のある不動産投資会社は無料個別相談を設けているケースも多いので、話をしてみるのもおすすめです。

また安心志向が強いのであれば、アフターサービスの充実度も確認してください。物件購入後の賃貸管理だけじゃなく、確定申告のサポート、物件の売却時のフォローなど、長期にわたってサポートを受けられるかも見ておくべきポイントです。特に確定申告については、不動産所得の計算は複雑になることが多いため、税理士の紹介や税務相談サービスがあると心強いでしょう。

短期で利益を求めない

不動産投資は長期投資が前提であり、短期的な利益を求めると失敗する確率が高くなります。不動産投資の真価は5年、10年という長期スパンで発揮されます。

初期の数年間は、初期費用などの持ち出しが多いため、節税効果をあわせてもギリギリの収支になる可能性もあるでしょう。しかし、返済は支出であるものの、不動産の自己持ち分がどんどん増え、確実に資産拡大につながっています。数年では大した金額でなくても10年以上になると、返済額は1000万円以上にものぼり、実質的にどんどん資産が増えている状態です。

また、不動産価格の短期的な変動に一喜一憂しないのが大切です。経済情勢や金利変動により、短期的に物件価格が下落することもありますが、優良立地の物件であれば長期的には価値の回復・向上が期待できます。東京都心部の物件などは、過去の経済危機時に一時的に価格が下落しても、数年後には以前の水準を上回る価格になっているケースが多く見られます。

市場の一時的な変動に惑わされず、長期的な賃貸需要と資産価値の動向を見据えた投資判断を行いましょう。短期的な損益にとらわれすぎると、本来の投資目的である「長期的な資産形成と節税効果の享受」を見失う可能性があります。

不動産投資においては「時間」も重要な投資要素の一つです。保有期間が長くなるほど、減価償却による節税効果の累積、ローン元本の返済による資産価値の向上、家賃収入の累積などにより、総合的な投資成果は向上していきます。10年、15年という長期保有を前提として投資計画を立て、途中での売却は慎重に検討するのが成功への道筋となるでしょう。

また、複数物件への段階的な投資を計画している場合も、焦らずに着実に進めることが大事です。最初の物件で得た経験とキャッシュフローを元に、次の投資タイミングを慎重に見極めによって、より確実な資産拡大を図れます。

まとめ:年収1100万円の税金対策は不動産投資が鍵

年収1100万円という高収入を得ている方にとって、効果的な税金対策は将来の資産形成において決定的な重要性を持ちます。本記事で詳しく解説してきたように、新NISA、ふるさと納税といった基本的な制度から始まり、さまざまな節税手法が存在しますが、その中でも最も大きな効果を期待できるのが不動産投資による税金対策です。

不動産投資が他の節税手法と一線を画す理由は、減価償却費を活用した帳簿上の赤字による損益通算により、多ければ数百万円規模の所得圧縮が実現可能だからです。

さらに、不動産投資には節税効果だけでなく、安定した家賃収入、インフレヘッジ効果、生命保険効果、相続税対策など、多面的なメリットがあります。年収1100万円の方であれば、これらすべてのメリットを最大限に活用し、総合的な資産戦略として不動産投資を位置づけられるのです。

年収1100万円という恵まれた収入を最大限に活かし、税金対策と資産形成の両立を実現するために、ぜひ不動産投資という選択肢をご検討ください。適切な戦略と慎重な物件選びにより、将来にわたって安定した資産拡大を目指していきましょう。

どのような物件が最適か、自分の年収での具体的な投資シミュレーションについて詳しく知りたい方は、個別面談をしてみるのがおすすめです。J.P.RETURNSの無料個別面談ではプロのコンサルタントが、あなたの収入状況やライフプランに合わせた最適な不動産投資戦略をご提案いたします。高収入だからこそ得られる不動産投資のメリットを、シミュレーションと共に実感してみてください。
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室田 雄飛

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室田 雄飛

J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長

J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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染谷 重幸

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染谷 重幸

大学在学中に家庭教師のアルバイトをきっかけにデイトレーダーへ転身。24歳で資産運用法人を設立する。25歳から大手投資用マンションディベロッパーと業務提携後、およそ6年間にわたり資産運用アドバイザーとして活躍。その後、大手不動産仕入れ会社で販売統括責任者として従来の投資用物件の流通システムを革新するプロジェクトを立ち上げる。国内最大規模の投資イベント「資産運用EXPO」で登壇実績があり、同業他社からも多くの見学者が立ち見の列を作った。2020年にJ.P.RETURNSに参画。オンラインでの商談やWEBセミナーを導入し、コロナ禍でも年間300件以上の顧客相談を担当している。

資格

宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)

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