サラリーマン大家になるために必要なこと
一度なってしまえば楽なサラリーマン大家。しかし、なるまでにいくつかのハードルを越えなければいけません。
ここでは、サラリーマン大家になるために必要なことをお伝えします。
● サラリーマンとしての勤続年数
不動産投資をするには、基本的には金融機関からお金を借りて、マンションやアパート、一戸建てを購入する必要があります。
サラリーマンとしての属性は金融機関からの評価を受けやすく、その立場を最大限利用すべきなのですが、多くの金融機関が融資の条件として設けているのが「勤続年数3年以上」というもの。
現在、転職したばかりで勤続年数が3年に満たないと言う方はまずは勤続年数3年を目指しましょう。
● 同業種・同業界への転職だとキャリアアップと見なされることも?
転職したばかりであっても、資格職の方で、前の職場と新しい職場で仕事の内容にあまり変わりがないような場合には前の職場の勤続年数もプラスして考えてくれる場合があります。
また、資格職でなくとも同業種・同業界で前職よりも給料がアップしていればキャリアアップと見なされて審査に有利に働く場合もあります。
● 勤続年数3年未満でも不動産投資ローンを借りられる可能性がある
キャリアアップと見なされないケースでも、給料が良かったり、公務員や1部上場企業であるなど属性が良かったりすると勤続年数3年未満でも不動産投資ローンを借りられることもあります。
金融機関の担当者によって対応も変わってくるため、まずは相談してみると良いでしょう。
自己資金
次に大きなハードルとなりやすいのが、自己資金の有無です。
● 初期投資として一定の自己資金があるのが好ましい
通常、不動産投資ローンを利用して投資物件を購入する場合物件価格の1割程度を自己資金で用意しておくのが望ましいとされています。
1憶円の物件であれば1,000万円ですね。
さらに、投資物件を購入するには不動産取得税や登記費用、火災保険費用などもろもろの諸経費が掛かります。
この諸経費部分まで自己資金で用意した方が融資の審査は通りやすいです。
諸経費は、物件価格の5%~10%となることが多く、1割の自己資金と併せて物件価格の15~20%、1億円の物件であれば1,500万円~2,000万円は用意しておかなければならないことになります。
● 頭金がなくてもローンは組めるが、月々の返済額が増える
金融機関によっては、上記15~20%の自己資金や経費まで含めてローンを組めることがあります(オーバーローン)。とはいえ、ローンは組めたとしてもその分月々の返済額が増えてしまうため、その分も含めた利回りの計算が必要となります。
これから物件を購入しようと思っている方はできれば一定額の自己資金は用意しておいた方が安全に始められるでしょう。
不動産にまつわる知識
不動産投資で必要な知識は多岐にわたります。その全てに精通している必要はありませんが、基本的なことは押さえておくようにしましょう。
● 運用方法や税務の知識
まず、不動産の運用方法や税務の知識を押さえるようにしましょう。
不動産の運用方法として大切なのが空室対策、そして税務の知識として大切なのが減価償却などについてです。
空室対策については、基本的にサラリーマン大家であれば手数料を支払い管理会社に全てを任せることになるでしょう。空室になっている原因が一時的なものであれば良いのですが、家賃の設定や修繕・リフォームされていないことが問題の場合には早急に手を打つ必要があります。大家としては、できるだけそうした提案を迅速に行ってくれる管理会社を選ぶことが大切です。
また、税務に関しては、不動産投資をして利益が出ると毎年の確定申告で所得税を支払う必要がありますが、不動産は決められた年数分、減価償却することが可能です。
上手に取り組むのであれば、この減価償却分を考慮して、毎年の納税額を一番安くすると共に、減価償却のなくなる前に売却して買い換えるなどの戦略を取ることも可能です。
この辺りは、税理士に相談してみるのも良いでしょう。
サラリーマン大家になるメリットとデメリット
サラリーマン大家のメリット
サラリーマン大家のメリットとしては以下のようなものがあります。
・融資を受けやすい
・赤字になれば税金が還ってくることもある
・複数の収入源を持てる
・メリット①融資を受けやすい
サラリーマン大家のメリットとしてもっとも大きいのが、サラリーマンとしての社会的信用があるため不動産投資ローンの審査に通りやすいということです。将来的な独立を目指している方でも、最初はサラリーマンとしての信用を最大限活用するようにしましょう。
・メリット②赤字になれば税金が還ってくることもある
あまり良いことではありませんが、不動産投資に取り組んだ結果、年間の収支がマイナスになった場合は給与所得分で払っている税金から差し引いて還付を受けることが可能です。
減価償却分は実際に現金支出を伴うものではないため、実際の収支はプラスでありながら、帳簿上マイナスとなり、還付を受けられるケースもあります。
・メリット③複数の収入源を持てる
サラリーマンをしながら大家もすることで、複数の収入源を持てます。どちらかが悪くなっても、どちらかでカバーすることができ、安定して収入を得られるようになるでしょう。
サラリーマン大家のデメリット
サラリーマン大家のデメリットとしては、これは専業の方も同じですが失敗すると大きな借金をしてしまう可能性があることでしょう。あまりにマイナスが続くと、精神的な面で本業にも影響が出ることもあります。
この辺りは、「投資」なので覚悟しておく必要があります。
サラリーマン大家になる際の注意点
サラリーマン大家になる際の注意点としては、出来る限り自主管理ではなく、信頼できる不動産会社に管理を委託すべきということです。自主管理だと、何かトラブルが起こった時に本業の合間では対応できなくなることがありますし、休みの日にまで不動産投資の仕事をしなければならないとなると気が滅入ってしまう可能性があるからです。
もちろん、全て理解した上で自主管理にするのであれば問題はありません。
まとめ
サラリーマン大家として不動産投資に取り組むメリットとデメリットをお伝えしてきました。
サラリーマンの最大の武器は、不動産投資ローンの審査承認を得られやすいということです。特に最初の数件は多くの方がサラリーマンをしながら大家をしているはずです。
その後もサラリーマン大家を続けるか、独立して専業になるかはご自分の理想とするライフスタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。